昨年4月の歯科診療報酬改定では、歯科訪問診療について施設基準の届出が必要となった。下記のいずれかの届出を2017年3月までに東海北陸厚生局に行わなければ、2017年4月以降は歯科訪問診療料の算定ができず、初診料相当の「歯訪診(初)234点」、あるいは再診料相当の「歯訪診(再)45点」を算定することになる。また、急性対応加算(170点または50点)の算定もできなくなる。
したがって、今後歯科訪問診療を行う可能性がある歯科医療機関は、現在は歯科訪問診療を行っていなくても、届出を行っておく必要がある。
東海北陸厚生局への届出は、特掲診療料の施設基準に係る届出書(「歯科保険診療の要点2016年版」347頁参照)と、それぞれの届出書添付書類を2セット作成し提出する。届出書と届出書添付書類は、東海北陸厚生局のホームページから様式を入手できる。
なお2017年1月1日現在、歯科訪問診療の注13に規定する基準(歯訪診)は1,078医療機関、在宅療養支援歯科診療所(歯援診)は498医療機関が届出している。
(1)在宅療養支援歯科診療所以外の診療所
・歯科訪問診療の注13に規定する基準「歯科訪問診療を提供した患者数の割合が診療した全患者の9割5分未満の保険医療機関」の届出を行う。
・届出書添付書類は「歯科保険診療の要点」357頁を参照(様式21の3の2)。
・歯科訪問診療を提供した患者の割合については、届出前の1カ月間の実績で届出する。計算式は以下の通り。実績のない医療機関は、0%で届出する。
歯科訪問診療料を算定した回数(延べ人数)…A
歯科初診料、歯科再診料を算定した回数(延べ人数)…B
歯科訪問診療を提供した割合=A/(A+B)
(2)在宅療養支援歯科診療所
・2016年3月以前に歯援診の届出を行っていた歯科医療機関においても、歯科訪問診療を提供した患者の割合が診療した全患者の9割5分未満であること等、昨年4月の改定で追加された要件を満たして届出を行う必要がある。
・施設基準は「歯科保険診療の要点」74頁を参照。なお、歯科訪問診療を提供した患者の割合が9割5分以上である在宅専門の歯援診の施設基準については、「歯科保険診療の要点」75頁を参照。
・届出書添付書類は「歯科保険診療の要点」352頁~354頁を参照(様式18)。
〔留意点〕
・歯援診の届出書添付書類にある「7.当該診療所における保健医療サービス及び福祉サービスの連携担当者」欄の記載については、「歯科医療機関の内部の担当者」を記載すると東海北陸厚生局に確認したので、届出を行う場合は留意していただきたい。なお、2016年5月以前に「外部の担当者」で提出した歯援診の届出は、無効にならないことも東海北陸厚生局に確認した。
※施設基準の届出でご不明な点は、協会事務局まで。