【医学管理】
Q1.がんの手術を予定している患者が、「術前の口腔管理をお願いしたい」との理由で病院からの紹介状を持参し来院した。
この場合は、周術期口腔機能管理料Ⅰの対象となるか。
A1.周術期口腔機能管理料Ⅰ(周Ⅰ)の算定は、周術期口腔機能管理計画策定料(周計)が算定されていることが前提となります。
歯科標榜のある病院からの依頼の際に、周計算定の有無が分からない場合は、先方に問い合わせをし、どちらで計画を策定するのか確認をしてください。策定された管理計画に基づき、歯科医師が口腔機能の管理を行い、その管理計画内容を患者に文書提供した場合は周Ⅰが算定できます。
【検査・投薬】
Q1.少数歯欠損(支台歯とポンティックの合計が5歯以下)のブリッジに対して、顎運動関連検査を算定することはできるか。
A1.算定できます。ただし、レセプトの「摘要」欄に患者の咬合状態および検査の必要性を記載してください。
例)下顎の誘導が不明確なため 等
Q2.6歯以上のブリッジを新製する際に、平行測定検査を実施するために製作した模型の費用は請求できるのか。
A2.算定できません。模型製作の費用は検査の所定点数に含まれます。
Q3.同日に院内で鎮痛剤、院外で外用薬を処方した。処方料と処方せん料をそれぞれ算定しても差し支えないか。
A3.原則として同日に同一患者に対して院内処方と院外処方が混在することは認められません。
ただし、緊急やむを得ない場合は、レセプトの「摘要」欄にその日付および理由を記載して「処方せん料」と「院内で投薬した薬剤料」のみを算定します。処方料は算定できません。
【処置】
Q1.右下3番が2根管だった場合、歯内療法の点数はどのように請求すれば良いか。
A1.実態に応じて2根管の点数を算定して下さい。根管数が一般の数と違う場合はレセプトの「摘要」欄にその旨を記載し、実際の根管数で請求することができます。
Q2.外傷性の歯の脱臼に対して、TFix「簡単なもの」(200点または230点)を算定したところ返戻になったが、どうしてか。
A2.外傷による場合は「困難なもの」(500点または530点)で算定してください。
Q3.ブリッジの除去で、レセプトの「摘要」欄に除去したものとして「③4⑤ブリッジ」と記載したところ返戻があった。どうしてか。
A3.歯冠修復物・補綴物を除去する際には、「部位」と「種類」を「摘要」欄に記載することとなっています。また、切断を行っている場合は、「○カ所切断」の記載も必要です。今回のケースであれば、「ポンティック1カ所切断(③4⑤Br)3、5 FMC除去」などの記載が必要かと思います。
【手術】
Q1.上顎大臼歯の歯根分割掻爬術は認められるか。
A1.上顎大臼歯は解剖学的に不適当なので、算定は認められません。
Q2.歯根端切除手術(2,000点)は歯科用CT、もしくは手術用顕微鏡のどちらかを用いて実施すれば、算定できるのか。
A2.算定できません。
歯根端切除手術(2,000点)は、歯科用CT撮影装置を用いて得られた画像診断の結果を踏まえ、手術用顕微鏡を用いた場合が対象です。
なお、他院で歯科用CT撮影を実施した患者に対して手術用顕微鏡を用いて歯根端切除手術を実施した場合も算定できません。
Q3.外傷で口腔内を深く切った患者さんに対し、縫合を行った。この場合、創傷処理の点数は「筋肉、臓器に達しないもの」470点、「筋肉、臓器に達するもの」1,250点どちらを算定すれば良いのか。
A3.「筋肉、臓器に達するもの」とは、創傷の深さではなく、筋肉、臓器に何らか処置を行った場合に算定します。処置の内容が傷口の縫合のみに留まるようであれば、470点の算定となります。