医科診療報酬改定情報(6)

 診療報酬改定に向け、中医協で議論が進められている。1月19日に公聴会が開催されるとともに、1月10日の中医協総会では「令和6年度診療報酬改定に係るこれまでの議論の整理(案)」が示された。また12日には厚労大臣から中医協への諮問が行われ、意見募集(パブコメ)を1月19日まで行うことが了承された。以下に、「これまでの議論の整理」の中から、主に医科外来に係る内容を一部抜粋して掲載する。

Ⅰ 現下の雇用情勢も踏まえた人材確保・働き方改革等の推進
▽看護職員、病院薬剤師その他の医療関係職種の賃上げを実施していくため、新たな評価を行う。
▽標準的な感染防止対策、職員の賃上げを実施する等の観点から、初再診料等の評価を見直す。
▽医師事務作業補助体制加算の要件及び評価を見直す。
▽時間外対応加算について、時間外の電話対応等の多様な在り方を考慮した評価体系に見直す。

Ⅱ ポスト2025を見据えた地域包括ケアシステムの深化・推進や
医療DX を含めた医療機能の分化・強化、連携の推進
▽医療情報・システム基盤整備体制充実加算の評価の在り方を見直す。
▽電子処方箋の更なる普及や電子カルテ情報共有サービスの整備を推進する体制について新たな評価を行う。
▽居宅同意取得型のオンライン資格確認等システム、電子処方箋及び電子カルテ情報共有サービスにより、在宅医療を提供した場合の新たな評価を行う。
▽情報通信機器を用いた場合の在宅持続陽圧呼吸療法指導管理、小児の発達障害に対する小児特定疾患カウンセリング料、通院精神療法を実施した場合について、新たな評価を行う。
▽健康管理等のために主に患者自らが使用するプログラム医療機器を用いた場合の医学管理について、評価の在り方の見直しを行う。
▽保険医療機関等における書面掲示について、原則として、ウェブサイトに掲載しなければならないこととする。
▽疾患別リハビリテーショ ン料について要件を見直す。
▽障害福祉サービスとの連携を推進する観点から、診療情報提供料(Ⅰ)の情報提供先を見直す。
▽土日祝日リハビリテーションを含むリハビリテーション、栄養管理及び口腔管理の新たな評価を行う。
▽病態に応じた早期からの疾患別リハビリテーションの新たな評価を行うとともに、早期リハビリテーション加算の評価を見直す。
▽短期滞在手術等基本料の評価を見直す。
▽生活習慣病管理料の要件及び評価を見直すとともに、特定疾患療養管理料の対象患者を見直す。
▽リフィル処方及び長期処方の活用等を推進する観点から、特定疾患処方管理加算の要件及び評価を見直す。
▽興感染症発生・まん延時に備え、感染対策向上加算の要件、外来感染対策向上加算の要件及び評価を見直す。
▽小児かかりつけ診療料の要件及び評価を見直す。
▽緊急往診の評価を見直す。
▽ターミナルケア加算の要件を見直す。
▽訪問診療の算定回数等に応じて在宅時医学総合管理料及び施設入居時等医学総合管理料の評価を見直す。
▽包括的支援加算の対象患者を見直す。
▽在宅療養支援診療所(病院)について、一人あたりの訪問診療の算定回数が多い医療機関における在宅患者訪問診療料を見直す。

Ⅲ 安心・安全で質の高い医療の推進
▽人工腎臓の導入期加算の要件及び評価を見直す。
▽手術等について、保険導入すべき新規技術の新たな評価を行うとともに、既存技術の評価を見直す。
▽小児抗菌薬適正使用支援加算の対象疾患を見直すとともに、小児科外来診療料の評価を見直す。
▽通院・在宅精神療法の評価を見直すとともに、精神疾患の早期の発見及び重点的な診療体制を有する医療機関が精神療法を行った場合の新たな評価を行う。
▽いわゆる同一敷地内薬局への対応として、当該同一敷地における医療機関の処方の評価を見直す。
▽長期収載医薬品の保険給付の在り方の見直しを行うこととし、選定療養の仕組みを導入する。

Ⅳ 効率化・適正化を通じた医療保険制度の安定性・持続可能性の向上
▽医療DX、医薬品の安定供給等を更に推進する観点から処方等に係る評価体系の見直しを行う。
▽一部の検査、処置及び麻酔の評価を見直す。

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