歯科労災診療の留意点5 (2022年9月5日号)

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非指定医療機関のQ&A

多くの歯科医療機関は、労災診療の指定医療機関となっていない。今回は「非指定医療機関」の労災診療に関わるQ&Aを掲載する。

Q:来院した患者に「労災保険で診てほしい」と言われた。
A:患者に対して、以下の点を説明して了解を得る。①窓口で治療費の全額を徴収すること、②治療費は通常の保険診療とは異なること、③勤務先から「療養の費用請求書」と「歯科用労災療養費明細書」を受け取り、次回の来院時に持参すること、④歯科医療機関で③の書類を記載して患者に渡し、患者が勤務先に提出して、支払った治療費の償還を受けること。

Q:治療費はいくら徴収したらよいか。
A:労災診療では、初診料三千八百二十円、再診料一千四百円と定められている。診療行為の単価は、原則一点あたり十二円で計算する。


Q:労災診療を行うにあたって、保険診療、自費診療とは別に、労災用のカルテを作成する必要があるか。
A:厚生労働省の「労災保険指定医療機関療養担当規程」により、指定医療機関では労災カルテの作成が必要であることから、非指定医療機関においても同様と考えられる。

Q:労働災害であることを告げられず医療保険で診療していたが、何度目かの来院時に「労災保険で診てほしい」と言われた。
A:医療保険のレセプト提出前の場合は、初・再診料は労災診療の金額に、処置などの診療行為は一点単価十二円で再計算し、患者から不足分を徴収する。すでに医療保険のレセプトを提出している場合は、患者から再計算の不足分を徴収し、提出したレセプトは取り下げる。

Q:再診時療養指導管理料を算定した患者に、歯科疾患管理料を算定できるか。
A:再診時療養指導管理料と歯科疾患管理料、歯科特定疾患療養管理料は併算定できない。

Q:再診時療養指導管理料を算定した患者に、歯科衛生実地指導料は算定できるか。
A:再診時療養指導管理料と歯科衛生実地指導料は併算定できる。

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