医科新点数Q&A(2022年6月25日号)

疑義解釈資料(その10)

点数改定に係る「疑義解釈資料(その10)」(6月1日付)が厚労省から発出されたので、一部紹介する。また、協会に問い合わせの多い新型コロナウイルス感染症の労災補償に関する質問を紹介する。

外来感染対策向上加算、感染対策向上加算
Q1.外来感染対策向上加算、感染対策向上加算2及び3の施設基準において、「新興感染症の発生時や院内アウトブレイクの発生時等の有事の際の対応を想定した地域連携に係る体制について、連携する感染対策向上加算1の届出をした医療機関等とあらかじめ協議されていること」とされている。
有事の際の対応を想定した地域連携に係る体制が保健所等の主導で既に整備されており、連携する他の医療機関等(感染対策向上加算1を届出済)が当該体制に参加している場合、当該体制に参加することで上記の施設基準を満たすと考えてよいか。
A1.考えてよい。

Q2.外来感染対策向上加算、感染対策向上加算の施設基準において、「1週間に1回程度、定期的に院内を巡回し、院内感染事例の把握を行うとともに、院内感染防止対策の実施状況の把握・指導を行うこと」とされている。
以下についてどうか。
①感染対策向上加算においては、院内の巡回は感染制御チームの構成員全員で行う必要があるのか。
②院内の巡回は、毎回全ての部署を回らなければならないのか。
A2.それぞれ以下のとおり。
①全員で行うことが望ましく、少なくとも2名以上で行う。
②必要に応じて各部署を巡回する。
なお、各病棟については毎回巡回することとするが、耐性菌の発生状況や広域抗生剤の使用状況などから、病棟ごとの院内感染や耐性菌の発生のリスクの評価を定期的に実施している場合には、少なくともリスクの高い病棟を毎回巡回することとし、それ以外の病棟についても、巡回を行っていない月がないこと。
患者に侵襲的な手術・検査等を行う部署についても、2月に1回以上巡回していること。
無床診療所の場合は、各診察室については毎回巡回するとともに、診察室以外の場所についても、少なくとも月に一度は巡回すること。

ネブライザ
Q3.3月31日付「疑義解釈資料(その1)」問223で、副鼻腔内陰加圧ネブライザ、喉頭及び喉頭下ネブライザ及びアレルギー性鼻炎に対する鼻腔ネブライザを同一日に実施した場合、それぞれについてJ114ネブライザは算定できず、主たるもののみについて算定することが示されたが、同一日に複数回ネブライザを用いて患者に吸入させることが必要な薬剤を使用し、医学的必要性に基づき、同一日に複数回受診しネブライザを実施した場合の算定については、どのように考えればよいか。
A3.医学的判断により算定する。
なお、同一日に複数回受診しネブライザを実施する場合、医学的必要性をレセプトの「摘要」欄に記載する。

新型コロナ感染症による労災の取扱い
Q4.業務により新型コロナウイルスに感染した患者について、診療の費用を労災に請求する場合、通常28公費で請求している以下の費用は労災に請求できるのか。
①新型コロナの検査費用
②宿泊・自宅療養中の診療費用
A4.新型コロナ陽性者であれば、①②いずれも28公費ではなく、労災に請求できる。この場合、労災請求分を保険診療のレセプトで重複して請求しないように注意されたい。

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