2025年8月27日

参議院選挙結果-国民のいのち・暮らしに寄り添う政治転換を

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(愛知県保険医新聞2025年8月25日号)

参議院選挙は、与党の自民党・公明党が公示前66議席から大幅に議席を減らし47議席となり、参議院でも過半数を割り込む結果となった。昨年の総選挙に続く与党の大敗は、国民の暮らしに寄り添わず貧困と格差を拡大させ、政治とカネの問題や物価高に無策を続けた自公政権に対する有権者の強い怒りや不信任を示しており、今の日本の政治を変えたいという国民の意思表示だ。一方で、「手取りを増やす」と訴えた国民民主党や、「日本人ファースト」を掲げた参政党が大幅に議席数を増やした。両党は、生活が一向に良くならないことへの不満や不安、外国人への規制強化等を争点化することで、自公への批判票の受け皿となった。しかし、事実に基づかない外国人優遇論等を流布し、「税金は日本人のための政策に使う」とするなど、排外主義的な主張は、外国籍の人だけでなく社会の分断と差別の助長につながることが危惧される。
参院選で大敗したにも関わらず、石破首相は続投を表明し、引き続き「少数与党内閣」による政権運営を選んだ。法案や予算案の成立には野党の協力が必要になり、野党勢力が政策決定に影響力を増すことになる。野党では、日本維新の会や国民民主党が、現役世代の社会保険料の負担軽減を名目に、社会保障費の削減や医療保険の給付範囲の見直し等、さらなる患者負担増を提案している。与党の補完勢力として、国民負担増を推し進める恐れがある。参院選で示された民意は、いのち・暮らし優先の政治への転換で、野党には与党への不信任を示した国民の意思を受け止め、責任ある行動を求めたい。
政府が早ければ来年度から実施するとしている「OTC類似薬の保険外し」は、国民皆保険制度を壊すことに繋がる。保険医協会は、「OTC類似薬の保険外し」による患者や医療現場への影響ついて、会員アンケートの実施や講演会、SNS等を通じて国民への周知を図り、「OTC類似薬の保険外し」の阻止に向けた運動に取り組んでいく。
また、物価高や人件費上昇で、医院経営は厳しさを増している。帝国データバンクによると「医療機関の倒産件数は過去最多ペース」で、地域医療の崩壊が加速している。
保険医協会は、「診療報酬大幅引き上げを求める医師・歯科医師署名」の実施や緊急の財政措置を求め、今後も各政党に要請行動を実施し、社会保障抑制策からの転換を含め、いのち、暮らしを最優先にする政治の実現のため運動を強めていく。

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