2023年3月1日

署名運動の意義と効果―国民の声を国会へ

現在取り組んでいる「保険でより良い歯科医療を求める請願署名」について「集めた署名にどのような効果があるのか」との声も聞かれます。請願署名に取り組む意義について今一度考えてみましょう。

請願署名に取り組む目的

今回の請願署名は、国に対して、全ての人が安心して歯科医療が受けられるように求めるものです。そのためには①窓口負担の軽減、②保険適用の対象拡大、③診療報酬での評価の引き上げなどが必要です。これらの実現には国の予算確保が必要ですが、国は社会保障費の削減を進めていますので、国の政策転換を求めるものです。そのような請願を国会に提出して採択されるのでしょうか。

署名の取り扱い

そもそも請願は、国民が国や自治体に対して、意見や要望、苦情の要請を行うもので、憲法16条で国民の権利として保障されているものです。衆議院・参議院に対する請願は国会法により議員の紹介を必要とされ、提出されれば議院は受理しなければなりません。提出された署名は各議院の委員会で採択すべきか否かを審議し、上程すれば本会議で審査されます。本会議で採択されれば、内閣や国会で処理され、その後の行政に反映する拘束力を持つものとなります。

議員は国民の声に敏感

集めた署名を提出すると、請願内容について議論されます。それにより、どの議員、政党が私たちの要求実現のために尽力するのか、逆に、要求実現を阻止する勢力がどこなのかも明らかになります。議員としては、国民の声に対して、敏感にならざるを得ません。
どれだけ改善を求める声があるのかを示すのが署名筆数で、多ければ多いほどその効果は大きくなります。より多くの署名を集めることで容易には不採択にできない状況をつくることが重要です。
前回取り組んだ歯科署名は全国で26万4,000筆を提出し、多くの国民の声として、不採択にはできない状況を作り出しました。残念ながら審査未了とされましたが、これまでも集まった署名を携えて国会議員に毎月要請を行うことで、医療現場の生の声を伝えることができ、金パラ逆ざや問題を厚労省に一定改善させることや、子どもの歯科矯正の保険適用を衆院厚労委員会で全会一致での採択を勝ち取ることができたのです。

要求実現の先頭に

保険でより良い歯科医療の実現は国民、歯科医療従事者が一致できる願いです。歯科では一般的に普及している技術や材料であっても保険適用されていないものが多く、患者さんの負担が大きくなる傾向があります。保険適用の範囲を広げることや窓口負担の軽減など、署名を通じてその要求内容を広く市民に訴え、世論づくりをすすめることが署名活動の要になります。
まだ署名に取り組んでおられない先生も、まずはご自身とご家族、従業員などに協力を訴えることから、ぜひ署名活動に取り組んでいただきたいと思います。

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歯科請願署名にご協力ください

協会歯科部会では、署名用紙の追加、患者さん向けのリーフレット、ハガキ署名入りポケットティッシュの追加注文も承っています。ご希望の先生は協会事務局までお気軽にご連絡ください。

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◆保険医協会歯科署名係
 電話:052-832-1349

 ファクス:052-834

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