2023年3月17日

介護保険

要請項目~安心できる介護保障について(抜粋)~

○介護保険料・利用料など
・第9期介護保険事業計画を待たずに、介護保険料を引き下げてください。また、保険料段階を多段階に設定し、低所得段階の倍率を低く抑え、応能負担を強めてください。とりわけ、第一段階・第二段階は免除してください。
○基盤整備
・特別養護老人ホームや小規模多機能施設等、福祉系サービスを増やし、待機者を早急に解消してください。
○障害者控除の認定
・介護保険のすべての要介護認定者を障害者控除の対象としてください。
・すべての要介護認定者に「障害者控除対象者認定書」または「障害者控除対象者認定申請書」を自動的に個別送付してください。

介護保険料の引き下げを

2022年度は、2021年4月から始まった第8期介護保険事業計画(3カ年計画)の中間年にあたる。愛知県内の平均保険料(基準額月額)は5,732円で、第7期(2018~2020)から206円(3.7%)の引き上げとなっている。介護保険がスタートした第1期(2000~2002)の平均保険料2,737円と比べると2倍を超える負担増となっており、自治体キャラバンでは、事業計画の途中でも緊急に保険料を引き下げることを求めた。
介護保険料が上がり続けている問題の根本には、介護保険財政全体の負担割合が固定されている(国25%、都道府県12.5%、市町村12.5%、被保険者50%)という問題がある。このため、介護保険の利用が増えるとそれが保険料の引き上げに直接繋がることになる。これ以上の保険料引き上げをさせないためには、この財政構造の見直しが欠かせない。
一方で、保険料を払っていても利用料を払うことができないために介護保険を利用できないという事例が多発していることから、国の制度見直しを待つことなく、各自治体の努力で保険料を引き下げることがどうしても必要である。
自治体キャラバンではその財源として、第七期末に介護給付費準備基金・剰余金(繰越金)として積み立てられたもののうち、第8期の保険料算定にあたって取り崩しをしなかったものを活用するよう要望している。介護給付費準備基金については、厚労省も「基本的には次期計画期間において歳入として繰り入れるべきものである」としており、全額保険料の引き下げに利用することが必要だ。

進まない特養などの基盤整備

自治体からのアンケートを見ると、要介護3以上の特別養護老人ホームの入所待機者数は2020年9,942人→2021年9,099人→2022年8,427人と徐々に減少している。しかし、要介護1・2の待機者数を合わせると県内にはまだ1万人近くの待機者がいる。
2040年に向けて要介護者は増え続け、一方で家族介護力が一層低下することが予測されていることから、介護需要はさらに高まることが確実である。アンケート結果を見ると、特養の整備計画は県内待機者数の十分の一程度にとどまっていおり、余りにも少ない。各自治体には次期計画に向けて待機者解消のための積極的な施策を強く求めたい。

障害者控除のさらなる活用を

障害者手帳の所持に関わらず、要介護認定者を市町村長が税法上の障害者と認めれば、障害者控除を受けることができる。県内でも多くの市町村が要介護認定者(「障害高齢者自立度A以上・認知症自立度Ⅱ以上」を含む、以下同様)を障害者控除の対象としている。自治体キャラバンで要望を始めた2002年では県内の合計で3,768枚だった認定書の発行枚数が、2021年は71,995枚と飛躍的に拡大している。
新たに認定書を受け取った人が、障害者控除で、税と保険料の負担が13万6千円(住民税7.4万円、所得税4.3万円、介護保険料1.9万円)軽減される事例も生まれており、障害者控除認定による住民への恩恵は計り知れない。
要介護認定者を障害者控除の対象としているのは48市町村にまで拡がり、未実施は名古屋市・豊橋市・蒲郡市・田原市・幸田町・豊根村の6市町村のみとなった。
また、すべての要介護認定者に障害者控除認定書を自動送付した瀬戸市と尾張旭市で、自動送付後の障害者控除額実績が瀬戸市で約9,000万円、尾張旭市で約4,000万円増加した。このことは、自動送付が申請漏れの防止にも役立っていることを示している。
なお、瀬戸市は2020年から県内で初めて、要介護者への認定書自動送付を「中止」した。その結果、2019年に5,277枚発行した認定書が2020年1,272枚、2021年995枚へと激減し、2021年の障害者控除額が2020年より約2,400万円も減少している。瀬戸市には直ちに認定書の自動送付を復活するよう求めたい。
要介護認定者への障害者控除認定書発行の前進は、自治体キャラバンでの継続的な要請や地域住民の粘り強い働きかけ、自治体担当者の努力が生み出した貴重な成果である。未実施の市町村には、すべての要介護認定者を障害者控除の対象とし、自動的に認定書を個別送付するように求めたい。

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