2008年2月15日

憲法を守り現実に活かす運動を

熱田区  森谷 光夫
 私の憲法九条に対する考え方の基盤は極めてシンプルです。それは人間として医師としての立場から戦争は相容れないものだからです。戦争は一旦起ればすべてに優先され、その遂行のために時の権力者より何もかも一命さえをも差し出すことを要求されます。戦後の混乱期に生まれ、悲惨な第2次世界大戦―多くのアジアの人々の命を奪い、また日本国民も徴兵された戦闘員だけでなく、原爆投下などにより非戦闘員(一般市民)も含んで何百万人という人命を失った中でできた平和憲法を少年期に学び、その後自衛隊創設、海外派兵などの曲折はありながらも、基本的に戦争のない日本という国で今まで過ごしてきました。しかし近年の状況、特に米国による中東への介入(石油利権多国籍企業の暗躍)、イラク侵略戦争、そしてそれに対する日本政府の様々な加担、そうした中で憲法九条の「改定」を前提とした「国民投票法案」が強行された今、「九条の会」の呼びかけに応え、それに賛同する会を日本の隅々までひろげることはますます重要になっていると思います。さらに戦争は最大の環境破壊であり、有事という名の訓練でも―もしF15戦闘機が全速力で八時間飛んだら1人の人間が生涯で排出する量に匹敵する二酸化炭素が排出されるといわれています。まさに戦争放棄を高らかに宣言した憲法九条は多くの人が述べているように人類がつくった貴重な財産であります。その精神を、還暦を過ぎた今、これからの日本を背負う人達に、そして子孫に受け継いでいく必要があると思っています。
 また現在日本では経済格差、ワーキングプアと呼ばれる人達が1千万人をこえ、社会保障はなし崩しにされようとしており、「医療崩壊」も叫ばれています。医療人として九条とともに二五条の生存権も重視し、それらを守り、活かす、現実に実現するような運動にも貢献できたらと思います。
最後に憲法前文の一部「われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めている国際社会において、“名誉のある地位”を占めたいと思ふ」を引用し、私の憲法九条への思いと致します。

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