2019年1月17日

県知事選挙-人口減少社会に暮らし・福祉をあたためる県政を

(愛知保険医新聞2019年1月15日号)

県政はあまり身近でないと聞くことがあるが、一人あたり住民税の多さで愛知県は全国2位と聞けば、「えっ、そんなに?」となるであろう。果たして、納めた税金の使い道は、私たちに還元されているだろうか。
愛知県が作成した「愛知に住みたくなるBOOK」がある。2017年11月に県知事直属の部局が作成した。いわば、住みたくなるまちをアピールする愛知の自慢集だ。
「日本の成長をリード!」のページでは、産業集積日本一とあり、「安く快適に暮らせる!」では、物価が安い・住宅が安いなどが並び、「アクセス便利!」ではクルマ王国らしく「クルマ移動もラクラク」と書かれ、「2027年度リニア開業!」も忘れない。「子育ても教育も安心!」になると、医療や福祉を期待したいところだが、「大学が充実」として全国3位の大学立地数、高校から大学への進学率全国1位と並ぶ。しかし、高校への進学率が全国最下位であることが背景にあること、医療分野は記載が皆無といっていいほどないのがさびしい。
子ども医療費助成は通院で就学前までというのが現在の県制度の水準だが、いまや隣県静岡県が昨年秋から18歳年度末まで拡充したことと比べると見劣りがする。せっかく93%の市町村が中学卒業まで独自助成を行っているのだから、県として子育てを後押しする姿勢がほしいところだ。国民健康保険でも協会けんぽなどと比べると2倍近く高い保険料であり、現状では「37市町村で保険料上昇」(中日新聞、12月15日付)となっており、県として県民の懐をあたためる姿勢がほしいところだ。
パンフレットは「リニア開業に向け名古屋都心の再開発」という記載もあり、産業集積・大型開発が中心という印象を受ける。
昨年秋、現知事が三選をめざして出馬表明をした際「大村氏出馬/大型事業推進を強調」(毎日新聞、9月28日付)との報道があり、中部空港島の国際展示場、リニア新幹線、ジブリパークなどの大型事業推進表明が鮮明であることに対し、「県内人口は昨年、初めて自然減となった。2020年代には人口減に転じる。大型事業に頼る県政運営が今後も順調に進むかは未知数」とコメントされた。少子高齢化という誰の目にも明らかな社会の進行に、県政が民生・衛生の分野でどう応えるかが、問われているといえないだろうか。

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