2018年1月26日

憲法守る署名-安倍政権下の改憲反対なら誰でも

(愛知保険医新聞2018年1月25日号)

安倍首相は、2018年の年頭から改憲を歴史的使命と言い、今年中に改憲発議を行う強い執念を見せた。憲法は今年大きな正念場を迎える。
首相の発言は、「九条の一項、二項をそのまま残し、その上で自衛隊の記述を書き加え」「2020年を新しい憲法が施行される年にしたい」(昨年5月)というもの。自民党は、早ければ今月からの通常国会に改憲案を提出し、6月までの改憲発議を行うスケジュールを描いている。
しかし、九条に自衛隊を明記することは、自衛隊が文字通り憲法上の組織となり、限りなく海外での武力行使に道を開くことにつながる。熊本日日新聞は、元日付社説で、憲法の重要な柱である「『平和主義』という『戦後日本の誇るべき社会的基盤を一変させかねない』」と指摘し、信濃毎日新聞も「自衛隊を憲法に書き込めば、不戦の理念はさらに掘り崩される」と警告している。
こうした安倍首相の改憲論が国民の願いとはかけ離れていることは、年明けに報道された日本世論調査会の調査(3日付「中日」など)で、憲法九条の改定について過半数の53%が「必要はない」、安倍首相のもとでの改憲について「反対」が53%、改憲の国会論議を「急ぐ必要はない」が67%を占めていることでも明らかである。
国民の多数が望まない安倍首相のもとでの九条改憲に対しては、私たちは命を守る医師・歯科医師として「憲法を守り、生かす署名」で意思表示をしたい。
戦後70年以上にわたって、日本が海外で戦争をしてこなかった大きな力は、憲法九条の存在があったからに他ならない。いま、九条を変えたり、新たな文言を付け加えたりする必要は全くない。
また、この署名は、「自衛隊は必要」「専守防衛は必要」「自衛隊は合憲」という人でも、さらには「憲法改正は必要」という人でも、「自衛隊が武器を持って海外に出ることや、海外で戦争をする自衛隊は認められない」、安倍政権のもとでの九条改憲にはNOという点で一致できれば、誰でも署名が可能だ。
安倍首相自身が、改憲案について「最終的には国民投票によって、国民のみなさんの意思によって決まる」と述べているように、九条改憲NOの圧倒的な世論をつくれば、国民投票でも九条改憲は否決される状況をつくり出すことが可能である。
多くの方が「憲法を守り、生かす署名」にご協力をいただきたい。

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