2020年度の個別指導における主な指摘事項が、東海北陸厚生局のホームページに掲載された。愛知県保険医協会で抜粋したものを掲載する。日常診療における診療録などの記載内容について、今一度確認していただきたい。 [ ]は協会で加筆した。
【診療録】
・診療録は保険請求の根拠であることを認識し、必要な事項を十分に記載すること。
・複数の保険医が従事する保険医療機関においては、診療の責任の所在を明確にするために、診療を担当した保険医は診療録を記載した後、署名または記名押印すること。
・レセプトコンピュータ等OA機器により作成した診療録の記載方法、記載内容に次の例[不備]が認められたので改めること。
ア 診療を行った保険医の署名または記名押印を行っていない。
イ 診療を行った場合に遅滞なく診療録を印刷していない。
・診療録第1面(療担規則様式第一号(二)の1)の記載内容に次の例が認められたので、必要な事項を適切に記載すること。
ア 部位、傷病名、開始年月日、終了年月日、転帰、主訴、口腔内所見について記載がないまたは不十分である。
イ 傷病名にP、C、Perの略称を使用しており、病態に係る記載がない。
・診療録第2面(療担規則様式第一号(二)の2)の記載内容に次の例[不備]が認められたので、必要な事項を適切に記載すること。
〇症状、所見、処置内容、指導内容、検査結果、画像診断所見、医学管理等の内容、材料名、投薬内容、 診療方針、部位、一部負担金徴収額について記載がない、不十分または画一的である。
・診療録の記載方法、記載内容に次の例[不備]が認められたので適切に記載すること。
〇診療行為の手順と異なった記載、行間を空けた記載、療法・処置欄への1行に対し複数行の記載、判読困難な記載、欄外への記載、独自の略称の使用、根拠が不明確または不適切な訂正及び追記、二本線で抹消せず塗りつぶしによる訂正。
・略称を使用するに当たっては、「歯科の診療録及び診療報酬明細書に使用できる略称について(令2.3.23 保医発0320 第5号)」を参照し適切に記載すること。
【歯科技工指示書等】
・歯科技工指示書に記載すべき内容(設計、作成の方法、使用材料、発行の年月日、発行した歯科医師の氏名及び当該歯科医師の勤務する病院または診療所の所在地、作成が行われる歯科技工所の名称及び所在地)に不備が認められたので改めること。
・診療録、歯科技工指示書等との間で製作内容、製作部位が一致しない例が認められたので十分に照合・確認すること。
【提供文書】
・提供文書の原本を診療録に添付し、写しを患者等に提供している例が認められたので、患者等に文書の原本を提供し診療録に当該文書の写しを添付すること。
【初・再診料の加算】
・歯科診療特別対応加算について、次の不適切な例[不備]が認められたので改めること。
〇当該加算を算定した日の患者の状態を診療録に記載していない。
【歯科疾患管理料】
・次の不適切な例が認められたので改めること。
ア 1回目の管理計画(患者の歯科治療及び口腔管理を行う上で必要な基本状況(全身の状態、基礎疾患の有無、服薬状況、喫煙状況を含む生活習慣の状況等)、口腔の状態(歯科疾患、口腔衛生状態、口腔機能の状態等)、必要に応じて実施した検査結果等の要点、治療方針の概要等、歯科疾患の継続的管理を行う上で必要となる情報)を診療録に記載していない。
イ 2回目以降の歯科疾患管理料を算定した月に、当該管理に係る要点について診療録に記載していない。
ウ 2回目以降の管理を行う際に、管理計画に変更があった場合において、変更の内容を診療録に記載していない。 (つづく)