新型コロナウイルス感染拡大の影響に関するアンケート結果(11月診療分)
愛知県保険医協会は昨年12月に「新型コロナウイルス感染拡大の影響に関するアンケート」を行った。今回はFAX登録のある開業医会員に11月診療分についてのアンケートを行い927件の回答があった。アンケート結果の特徴は以下の通り。アンケート結果の詳細は下記のリンクから。
続く外来患者減
外来患者数については、昨年同月比で「減った」との回答が77.7%で、依然として多くの医療機関で減少傾向が続いている。減少割合については、「減った」と回答した医療機関のうち減少割合が二割を超える医療機関が26.0%となっている。また診療科別では小児科・耳鼻咽喉科の減少幅が大きい。
支援金申請進まず
医療従事者慰労金(以下、慰労金)と感染防止対策等支援金(以下、支援金)については、慰労金は94%が「申請済み」「受取済み」「実績報告書提出済み」である一方、支援金は「申請予定だが申請していない」「申請書作成中」が42%と多くなっている。支援金は対象となる内容が明確でなかったことや申請書類作成の煩雑さが申請の遅れに繋がっていると思われる。
医院経営に不安の声が続々
新型コロナウイルス感染症の収束が見通せず、先行きの見えない状況が長期化するなかで、医院経営について不安を訴える意見が多く寄せられている。「このまま減収が続くと経営が成り立たない」「感染対策で支出は増えています。スタッフも頑張っているので減給できません」など、これまでに行ったアンケートに比べても医院経営の厳しさを指摘する声が増えている。スタッフの雇用についても新型コロナウイルスを恐れての退職がある一方、新規募集には応募がないとの声が多い。
重症化・発見遅れ事例も
受診控えの影響も深刻だ。がんの発見が遅れた事例や慢性疾患の生活・服薬コントロールに困難が生じている事例が寄せられているほか、歯科では虫歯や歯周病の悪化を指摘する声も多い。また、子どもの予防接種や健診の遅れについても複数の医療機関から指摘があった。
アンケート結果を受けて、協会として患者への積極的な受診勧奨、医療機関への経営支援の強化、各種医療機関支援制度の手続きの簡素化、感染防護のための医療用資材の安定供給などを国や県に対して要望していく予定。