2020年歯科診療報酬改定情報(3)

「これまでの議論の整理(案)」示される―1/15中医協総会

 1月15日の中医協には「令和2年度診療報酬改定に係るこれまでの議論の整理(案)」が示され、1月24日開催の公聴会に向けた意見募集(パブリックコメント)に付された。歯科医療に関わる内容を抜粋して掲載する。

Ⅱ―2 患者にとって必要な情報提供や相談支援の推進


▽かかりつけ医機能及び医療機関間の連携を推進する観点から、紹介先の他の医療機関から紹介元のかかりつけ医機能を有する医療機関へ情報提供を行った場合について新たな評価を行う。
▽明細書が果たすべき機能やそれらの発行業務の実態を踏まえ、公費負担医療に係る給付により自己負担のない患者(全額公費負担の患者を除く)について、診療所における明細書発行に係る要件を見直す。

Ⅱ―4 重症化予防の取組の推進


▽歯科疾患管理料について、長期的な継続管理等の評価をさらに充実させる観点から、初診時に係る評価を見直すとともに、長期的な継続管理について新たな評価を行う。
▽歯周病安定期治療の対象となっていない歯周病を有する患者に対する継続的な治療について新たな評価を行う。

Ⅱ―7―6 感染症対策、薬剤耐性対策の推進


▽歯科外来診療における院内感染防止対策を推進する観点から、常勤の歯科医師だけでなく関係する職員を対象とした研修を行うこととし、基本診療料について評価を見直す。

Ⅱ―9 口腔疾患の重症化予防、口腔機能低下への対応の充実、生活の質に配慮した歯科医療の推進


▽歯科医療機関における医療安全に関する取組を推進する観点から、歯科外来診療環境体制加算の施設基準について、歯科医師及び歯科衛生士の配置等の要件を見直す。
▽歯科疾患管理料の口腔機能管理加算及び小児口腔機能管理加算について、歯科疾患の継続管理を行っている患者に対する診療実態に合わせて要検討を見直す。
▽小児口腔機能管理加算について、算定の必須項目となっている咀嚼機能の評価について要件を見直す。
▽長期療養において経口摂食を行っていない口腔の自浄作用の低下した患者に対する、痂皮の除去等を評価する。
▽6歯以上の先天性部分(性)無歯症等であり、ブリッジや部分床義歯等の一般的な補綴治療では治療困難な患者がいることを踏まえ、広範囲顎骨支持型補綴の要件を見直す。
▽歯科治療恐怖症の患者等に対して行われる静脈内鎮静法について評価を見直す。
▽歯科診療における安全で質の高い麻酔を実施する観点から、閉鎖循環式全身麻酔を行った場合の管理について新たな評価を行う。
▽CAD/CAM冠について、対象を見直す。
▽手術用顕微鏡を用いた根管充填処置等について、対象を見直す。
▽抜歯等の手術における歯科麻酔の算定に係る評価を見直す。
▽歯科技工料調査の結果を踏まえ、歯冠修復及び欠損補綴等の評価を見直す。

Ⅲ―4 地域包括ケアシステムの推進のための取組の評価

▽医療機関と歯科医療機関との適切な連携を推進する観点から、手術を行う医療機関から歯科医療機関へ予約を行い、患者の紹介を行った場合について、周術期等口腔機能管理における新たな評価を行う。
▽周術期等口腔機能管理を更に推進する観点から、化学療法や放射線療法に対して行われる周術期等口腔機能管理について、周術期等専門的口腔衛生処置に係る要件を見直す。

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