個別指導における主な指摘事項(5)

 2017年度の個別指導における主な指摘事項を、東海北陸厚生局から入手したので、協会で抜粋・編集したものを掲載する。日常診療における診療録などの記載内容について、今一度確認していただきたい。

【歯周治療】


・歯周病安定期治療(Ⅰ)について、次の不適切な例が認められたので改めること。
(1)管理計画書に歯周病検査の結果の要点、歯周病安定期治療の治療方針などについての記載が乏しい。
(2)診療録に治療内容の要点の記載が不十分。
・歯周病安定期治療(Ⅱ)について、歯周病検査の結果の要点や歯周病安定期治療の治療方針などについての管理計画書を作成していないにもかかわらず、誤って算定している不適切な例が認められたので改めること。

【処置】


・根管充填について、2根管であるにもかかわらず誤って「3根管以上」で算定している不適切な例が認められたので改めること。
・エナメルボンドシステムにより暫間固定を行っているにもかかわらず、装着、装着材料料及び暫間固定装置の除去を算定している。
・レジン床固定法及びレジン連続冠固定法による暫間固定装置の修理を行った場合ではないにもかかわらず、誤って暫間固定装置修理を算定している。
・有床義歯床下粘膜調整処置について、旧義歯が不適合で床裏装や再製が必要とされる場合ではないにもかかわらず誤って算定している。
・歯周治療用装置について、重度の歯周病で長期の治療期間が予測される歯周病の患者に対して、治療中の咀嚼機能の回復及び残存歯への咬合の負担の軽減等を目的として装着していないにもかかわらず、誤って算定している不適切な例が認められたので改めること。
・咬合調整及び歯周疾患処置の処置について、口腔内消炎手術(歯肉膿瘍等)と同日に行った当該手術に伴うものであるにもかかわらず、誤って算定している不適切な例が認められたので改めること。
・歯科診療特別対応加算について、著しく歯科診療が困難な者に該当していないにもかかわらず誤って算定している不適切な例が認められたので改めること。

【歯冠修復及び欠損補綴】


・う蝕歯即時充填形成に係るう蝕歯無痛的窩洞形成加算について、エアータービン等切削器を用いた場合であるにもかかわらず誤って算定している不適切な例が多数認められたので改めること。
・残根歯に対して、根面被覆処置を行わずに残根上義歯を製作していた例が認められたので改めること。
・有床義歯の床修理について、歯科口腔リハビリテーション料1において実施すべき調整又は指導であるにもかかわらず当該修理として算定している不適切な例が認められたので改めること。
・有床義歯内面適合法について、診療録に顎堤吸収の状態、顎堤粘膜の状態及び症状の要点の記載が乏しい不適切な例が認められたので改めること。

【保険外診療】


・保険外診療に係る診療録は、保険診療に係る診療録と明確に区分のうえ作成すること。
・保険外診療で製作した歯冠修復物の支台築造及び支台築造印象について、誤って保険診療で算定している不適切な例が認められたので改めること。
・保険外診療に伴うメンテナンス治療について、誤って保険診療で算定している不適切な例が認められたので改めること。
・保険外診療で製作した有床義歯に対して行われた有床義歯修理及び歯科口腔リハビリテーション料1(有床義歯の場合)について、誤って保険診療で請求している不適切な例が認められたので改めること。(おわり)

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