情報開示請求で指導の実施件数、予定件数を回答・・・東海北陸厚生局

 保険医協会は東海北陸厚生局に対して、個別指導等に関する昨年度の実施状況と今年度の予定などについて文書・資料の開示請求を行い、一部回答を得たので歯科についての内容を紹介する。なお、7月15日号6面および本号3面も参照されたい。

個別指導件数65件 前年度から8件増

 2016年度における歯科医療機関に対する個別指導の実施件数は(新規個別指導を除く)は65件で、前年度より8件増加。選定理由別に見ると、「情報提供」8件、「再指導」31件、「高点数」26件(表1)で、前年度に比べ、「高点数」が大きく増加した。
 個別指導の結果については、「経過観察」が52件、「再指導」9件、「中断中」4件(表2)で、「概ね妥当」は該当なし。「要監査」は前年度1件から今年度ゼロとなったが、「中断中」の4件は前年度と同数。持参物の書類等の不備も考えられるので、遺漏なきカルテへの記載、必要な書類を診療のつど整理するなど、日ごろの備えが大切である。
 新規指定保険医療機関に対する個別指導(新規個別指導)は、81件の実施。「概ね妥当」29件、「経過観察」47件だが、「再指導」が5件あった。前年度から減少したが、「再指導」となれば通常の個別指導と同様の扱いとなり、持参する対象カルテ数が増えるなど負担も増大する。
 保険医協会として安易に「中断」や「再指導」としないよう改善を求めるとともに、歯科医療機関側も保険診療についての理解を深め、カルテ記載や書類の整理・保管に留意する必要がある。

集団的個別指導は8月3日実施

 2017年度の指導実施計画によると、個別指導は148件が予定されている。選定理由別にみると、「情報提供」によるものが5件、「再指導」によるものが15件、「高点数」によるものが128件となっている(表1)。
 高点数による個別指導の対象となる128の各医療機関の平均点数は、2,983点から1,514点。個別指導は、「情報提供」、「再指導」によるものが優先的に実施されるため、昨年度の実績からみても、今年度の「高点数」による実施件数も予定より大幅に少なくなることが予想される。
 集団的個別指導は、平均点数(今年度は1,187点)の1.2倍を超え、かつ上位8%に該当する歯科医療機関が対象となる。対象医療機関数は289医療機関、平均点数は1,425点以上となっている。今年度の集団的個別指導は8月3日(木)に予定されている。
    
 個別指導、集団的個別指導について、不安なことがあれば保険医協会に相談していただきたい。電話での相談のほか、「カルテ記載を中心とした指導対策テキスト」などの販売を行っている。ぜひ活用を。
 

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