支払基金から「審査情報提供事例について」が公開された。これは、審査における一般的な取扱いについて広く関係者に情報提供を行うとして、逐次公開されているもの。2月27日付で4件が追加されたので、参考としていただきたい。
う蝕処置
○ 取扱い
原則として、間接歯髄保護処置後、同月内に日を異にして同一歯に暫間充填を行った場合、う蝕処置の算定を認める。
○ 取扱いを定めた理由
間接歯髄保護処置を行った後、疼痛の発生等の症状によりやむを得ず当該処置に伴う暫間充填を改めて行う場合があり、こうした場合においては、暫間充填としてのう蝕処置が必要となる。
○ 留意事項
間接歯髄保護処置後、同月内に日を異にして同一歯に対するう蝕処置の算定が傾向的にみられる場合にあっては、医療機関に対する照会が必要であると考えられる。
咬合調整
○ 取扱い
原則として、乳歯の「咬合異常(Mal)」病名に対して歯の削合を行った場合において、咬合調整の算定を認める。
○ 取扱いを定めた理由
平成18年4月24日付け厚生労働省保険局医療課事務連絡「疑義解釈資料の送付について(その4)」の別添1問10により、咬合異常に起因する早期接触等が生じている歯の過高部等を削除した場合の咬合調整は、同一初診期間中1回を限度として算定して差し支えないこととされており、後継永久歯が先天的に欠如している乳歯であるか否かに関わらず、咬合の状態や歯の植立状態による早期接触等が生じている場合には乳歯の削合が臨床上有用となる場合がある。
有床義歯床下粘膜調整処置
○ 取扱い
原則として、有床義歯床下の残根の抜歯後、同日に行われた有床義歯床下粘膜調整処置の算定を認める。
○ 取扱いを定めた理由
有床義歯の再製作又は有床義歯内面適合法(床裏装)が必要となる場合において、有床義歯床下の残根部位の症状、抜歯後の歯肉の状態及び有床義歯床下の粘膜異常部位の状態等から、臨床上、残根の抜歯を行った日に有床義歯床下粘膜調整処置を行う場合がある。
伝達麻酔
○ 取扱い
原則として、下顎大臼歯部の「歯槽膿瘍(AA)」病名に対する口腔内消炎手術を行う際の伝達麻酔の算定を認める。
○ 取扱いを定めた理由
炎症のある下顎大臼歯部に対する浸潤麻酔は比較的奏効しにくいため、当該部位の「歯槽膿瘍(AA)」病名に対して口腔内消炎手術を行う場合には、下顎孔への伝達麻酔によって良好な麻酔効果が期待できる。