個別指導での主な指摘事項(2)

個別指導での主な指摘事項(2)

8月25日号に続き、平成25年度の個別指導で指摘された主な事項について掲載する。個別指導への対応や日常診療の留意点として参考にしていただきたい。
※( )内は指摘件数。

【周術期口腔機能管理料(Ⅰ)(Ⅱ)(Ⅱ)】

  • 周術期口腔機能管理料の管理計画書の内容が未記載、または記載が不十分であるので記載内容の充実を図ること。(1)

【歯科衛生実地指導料】

  • 歯科衛生実地指導の指導内容が算定要件を満たしていない例が認められた。(1)
  • 歯科衛生士に指示した指導内容の要点を診療録に記載していない例が認められた。(7)
  • 提供文書の未記載、または記載が不十分であるので記載内容の充実を図ること。(10)
  • 提供文書の控えが添付されていない例が認められたので、歯科衛生士業務記録簿に提供文書の控えを添付すること。(3)
  • 歯科衛生士業務記録簿が未作成なので、作成した上整理、保管すること。(1)

【新製有床義歯管理料】

  • 1回目の新製有床義歯管理料を算定した際に、文書提供していない、または文書内容の未記載が認められた。(7)
  • 診療録に提供文書の内容以外に療養上必要な管理の要点の未記載、または記載が不十分であるので記載内容の充実を図ること。(6)
  • 算定要件を満たしていない咬合機能回復困難加算が認められた。(1)

【有床義歯管理料】

  • 診療録に要点(実施した検査の結果、調整方法、調整部位、指導内容)の未記載、または記載が不十分であるので記載内容の充実を図ること。(13)
  • 算定要件を満たしていない咬合機能回復困難加算が認められた。(2)

【有床義歯長期管理料】

  • 診療録に有床義歯の調整方法、調整部位等の未記載、または記載が不十分であるので記載の充実を図ること。(2)

【有床義歯調整管理料】

  • 義歯管理料を算定した日の属する月以外、または義歯管理料・有床義歯床下粘膜調整処置を算定した日に、有床義歯調整管理料を算定していた例が認められた。(1)
  • 診療録に有床義歯の調整方法、調整部位の未記載、または記載が不十分であるので記載の充実を図ること。(3)

【診療情報提供料(Ⅰ)(Ⅱ)】

  • 診療情報提供料を算定する際は、定められた(準ずる)様式の文書に必要事項を記載し交付するとともに、交付した文書の写しを診療録に添付すること。(2)

【検査】

  • EMR、細菌簡易培養検査、平行測定、顎運動関連検査(MMG・GoA・Ptg・ChB)を算定したにもかかわらず、検査結果を診療録に記載していない(添付していない)例が認められた。(9)
  • 計画的に欠損補綴物を製作する上で、必要性が認められない、必要性に乏しい顎運動関連検査を算定していた。(3)
  • 平行測定(6歯以上)が算定要件(模型を製作しサベイヤー等で測定する)を満たしていない例が認められた。(3)
  • 歯周基本検査、歯周精密検査、混合歯列期歯周病検査を算定したにもかかわらず、診療録に検査結果の記載、添付が認められなかった。(7)
  • 歯周基本検査において、算定要件(ポケット測定1点以上・動揺度)を満たしていない例が認められた。(1)
  • 歯周精密検査において、算定要件(ポケット測定4点以上・プロービング時の出血の有無・動揺度・プラークの付着状況)を満たしていない例が認められた。(6)
  • 切開と同日、P急発時、Perico発症時の歯周病検査は認められない。(1)

【画像診断】

  • デンタル、パノラマ、その他のエックス写真で不鮮明、現像不備、目的部位の撮影がされていない例が認められた。(13)
  • エックス線フィルムを紛失したものが認められたので、整理・保管を厳格に行うこと。(1)
  • 写真診断の所見を診療録に記載せずに、診断料を算定していた例が認められた。(31)
  • 臨床所見等から判断して必要性が認められない歯科用3次元エックス線断層撮影が認められた。(1)

【投薬】

  • 薬事法の適応、用法、用量を遵守すること。(7)
  • 適応外、過量、用法外、画一的な薬剤投与が認められた。(5)
  • 適切に治療効果判定を行い、漫然と投与することがないよう改めること。(2)
  • 病名、症状、経過、年齢を考慮した上で、適切に薬剤投与を行うこと。(1)
  • 診療録に薬剤名、規格、単位、一日投与量、投与日数、薬剤の使用量を記載すること。(2)

【処置】

  • 著しく歯科治療が困難な者に該当しないにもかかわらず、100分の50加算を算定していた例が認められた。(1)
  • 臨床所見等から判断して必要性が認められないう蝕処置、咬合調整、有床義歯床下粘膜調整処置が認められた。(5)
  • う蝕処置を算定しているにもかかわらず、診療録に算定部位ごとに保険医療材料、処置内容等を記載していない例が認められた。(4)
  • 気密に根管充填がされていない加圧根管充填加算が認められた。(18)
  • 加圧根管充填加算を算定する際はエックス線撮影を行い、状態の確認をした上で算定すること。(10)
  • 歯冠修復物又は補綴物の除去(困難なもの、根管内ポストを有する鋳造体の除去)の算定要件を満たしていない例が認められた。(9)
  • 検査結果、臨床所見等から判断して必要性が認められない暫間固定が行われていた。(1)
  • エナメルボンドシステム、線結紮法、接着レジンによるワイヤー固定による暫間固定を行っているにもかかわらず、装着料、装着材料料を算定していた。(6)

【歯周治療】

  • 「歯周病の診断と治療に関する指針」を参照し、歯科医学的に妥当適切な診療を行うこと。(48)
  • 歯周病検査の検査結果に基づき、歯周疾患の診断を的確に行うこと。(11)
  • 歯周疾患の治療を行う際は、治療計画を策定し、それに基づき治療を行うこと。(8)
  • 歯周病に係る症状、所見の診療録記載が乏しく、診断根拠や治療方針が不明確である。(5)
  • 病的安定、治癒の判断、治療計画の修正が的確に行われていない。(2)
  • 検査結果、臨床所見等から判断して必要性が認められないスケーリング、PCur、SRP、歯周疾患処置、ペリオクリンが認められた。(8)
  • スケーリング、PCur、SRPから次の歯周病検査までの間隔が短く、歯科医学的に妥当適切でない事例が認められた。(2)
  • 歯冠修復、ブリッジ、有床義歯と並行する不適切な歯周治療が認められた。(1)
  • 歯管、歯在管を算定していない患者に対して歯周病安定期治療を算定していた。(1)
  • 歯科衛生士による機械的歯面清掃を行った際、診療録への当該歯科衛生士名の記載がない例が認められた。(1)

ページ
トップ