指導結果・予定などが明らかに――協会が厚生局に情報開示請求

指導結果・予定などが明らかに――協会が厚生局に情報開示請求

 協会は、5月31日付けで東海北陸厚生局に対して、指導に関わる行政文書の開示請求を行った。以下、6月26日付けで開示された文書の内容を紹介する。

今年度集団的個別指導の平均点数は1,155点

 今年度の歯科(愛知県)の平均点数は1,155点で昨年(1,165点)を下回った。平均点数は、集団的個別指導など指導の対象を選定する際の基準となるものだが、対象月などの内訳は明らかになっていない。そのため、機械的に年次比較をすることは困難だが、【表1】のようにこの間の平均点数の推移を見てみると、大きな流れとしては07年頃までは下がり続け、その後は回復せず横ばいになっていることが分かる。高点数を理由にした個別指導の選定が、医療機関の診療に影響していることが伺われる。

 

11年度の個別指導は46件

 11年度に行われた歯科の個別指導は46件(【表2】参照)で10年度から10件減少している。その内訳は、高点数理由が31件で全体の3分の2を占めている。愛知県では現在まで、医科の個別指導においては高点数による選定は行われていない。保険医協会では、高点数理由による個別指導の選定は、合理性がないこと、医療機関の診療が過度に抑制され患者の不利益となる可能性があることなどから行わないよう要望している。
 なお、12年度の個別指導の予定件数は147件だが、これは指導大綱に沿って、医療機関数の4%を機械的に当てはめて算出したものであるため、過去の実績から見ても、全て実施することは難しいと思われる。

 

指導結果は「再指導」が大幅に増加

 10年度と11年度の個別指導の結果を比較すると、「再指導」が8件から29件に大幅に増加している(【表3】参照)。指導の際の指摘事項としては、カルテ記載や治療の進め方などの項目を指摘されている医療機関が多い。
なお、東海北陸厚生局から開示された情報の詳細については、次号以降で紹介を予定している。
(つづく)
 

※2010年度の個別指導は56件行われているが、情報公開請求を行った際(2011年6月2日時点)には左記46件分しか開示がされなかったため、その数字を掲載している。

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