歯科疾患管理料算定の留意点 厚労省が事務連絡通知
〔検査と文書提供が算定要件〕
十月二十九日に厚生労働省が「歯科疾患管理料の取扱いについて」周知徹底を図るよう事務連絡通知を発出した(下記は通知の抜粋)。
この通知は、歯科疾患管理料(歯管)の取扱いを再確認すると同時に、混合歯列期・乳歯列期の歯周組織検査の考え方について整理したもの。
通知では、混合歯列期・乳歯列期も含め歯周疾患のある患者に対して歯管を算定する場合は、歯周組織検査を行った上でその結果を踏まえ管理計画書を作成することが要件である旨が改めて強調されている。集団的個別指導や個別指導の際にもこの点について指摘される例が多くあり、文書提供の徹底や検査結果等のカルテ記載を充実させることが求められる。
〔混合歯列期・乳歯列期の歯周組織検査項目〕
また、歯周疾患に罹患している混合歯列期・乳歯列期の患者への歯周組織検査について、歯科医学的に歯周ポケット測定の必要性が乏しいと判断される場合は、それ以外の検査項目のみで歯周組織検査が算定できるとの見解が示された。
なお、通知で示されている歯周組織検査項目は以下の通り。
(1)歯周ポケット測定
(2)プロービング時の出血の有無
(3)歯の動揺度
(4)プラークの付着状況の検査
(5)歯肉の炎症状態の検査。
通知 歯科疾患管理料の取扱いについて
当該管理料は、継続的な口腔管理が必要な患者に対し、患者又は家族の同意を得て管理計画書を作成し、その内容について説明を行った上で初診日から起算して1月以内に管理計画書を提供した場合に当該管理料(1回目)を算定し、2回目以降の当該管理料については、1回目の当該管理料を算定した患者に対して継続管理計画書を作成し、その内容について説明を行った上で当該計画書を提供した場合に算定する取扱いとなっていること(2回目以降の当該管理料に係る計画書については、前回の管理計画書の提供日から起算して3月を超える日までに1回以上提供すること)。
また、歯周病に罹患している患者に管理計画書を作成する場合は、歯周組織検査を実施し、その結果を踏まえた上で管理計画書を作成することとなっていること。なお、混合歯列期又は乳歯列期の患者に対する歯周組織検査については、歯科医学的に歯周ポケット測定の必要性が乏しいと判断される場合であっても、歯周ポケット測定以外の歯周組織検査項目の実施が必要であること。
したがって、管理計画書による患者への情報提供がない場合や歯周組織検査(混合歯列期又は乳歯列期の患者に対する歯周組織検査を含む。)を実施せずに歯周疾患に罹患している患者に対して管理計画書(1回目)を交付している場合には、当該管理料の算定を行うことはできない取扱いとなっていること。