保険医療機関への指導については、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響から、2020年度から従来の指導大綱に基づいた実施は行われてこなかった。集団的個別指導については、集合形式での実施に戻ったのは2022年度からである。また個別指導では、新規個別指導や「再指導」「情報提供」によるものは、すでに従来の実施に戻っているが、「高点数理由」によるものは2023年度まで実施されていなかった。
　2024年度の指導監査等については、厚労省保険局医療課の医療指導監査室から厚生局医療課に対し、「令和6年度の指導監査等については、従前（令和元年度以前）同様の実施とする」との事務連絡が、1月26日付で発出されている（事務連絡の具体的内容は下記参照）。

　今年度の「高点数理由」による個別指導の対象となる医療機関については、件数は従来どおり選定するが、実際に対象となる医療機関は、令和元年度（2019年度）の集団的個別指導を実施した医療機関で、令和3年度（2021年度）に「高点数理由」の指導対象に該当していた医療機関としている。これは、新型コロナの特例で高点数となった医療機関を極力対象から除くための対応であり、来年度からは従来の対象医療機関に戻されると考えられる。
　協会では、今年度も指導に係る資料の開示請求を行う。また指導改善の運動とともに、指導に関するお問い合わせや相談対応、帯同弁護士の紹介などを行っているので、利用いただきたい。