物価高騰・新型コロナ・オンライン資格確認 各種補助金等の税務処理(2023年分確定申告)

新型コロナウイルス感染症・物価高騰対策 主な補助金・助成金一覧、補助金の税務処理

 物価高騰支援金や新型コロナウイルス感染症対応等補助金の収入計上時期については、原則として補助金等の支給決定がされた日に属する年分の収入金額となり、「雑収入」として計上します。詳細は関与税理士とご相談ください。

1.各種補助金の税務処理

 原則、補助金の収入権利が確定した日(交付決定通知書の交付決定日)に属する年分の収入として処理します。なお、「新型コロナ医療機関あて設備整備補助金」などでその対象経費として支出した経費は、支出した年分の経費として処理します。ただし、補助金を申請したが、その年内に交付決定していない場合は、例外として対象経費が発生した年で収入計上ができます。また、取得額10万円以上の固定資産の取得に充てた場合は、その取得に相当する金額を総収入金額に計上しない(総収入金額不算入、いわゆる「圧縮記帳」)ことができます。

2.新型コロナウイルスワクチン接種費用等の課税関係

 新型コロナワクチン接種費用の取扱いは、「ワクチン接種費用」と「時間外・休日接種の接種費用の上乗せ」は通常の予防接種と同じ委託料になり、自由診療等収入として消費税の課税対象となります。しかし、「個別接種促進のための支援事業」「小児接種支援金」などについては、協力金の性質があるため雑収入扱いで、消費税は不課税です。

3.オンライン資格確認関連補助金の税務処理

 オンライン資格確認関連の補助金は、「交付決定日」の属する年分の雑収入として計上します。システム導入のために支払った費用は支出した年分の必要経費として処理します。「交付決定日」は「交付決定通知書」で確認します。「医療機関等ポータルサイト」のマイページからダウンロードできます。
 補助金で事業用固定資産を取得した場合は、その耐用年数に応じて減価償却をして各年分の必要経費に算入します。システム改修費等もオンライン資格確認関係補助金の対象となります。なお、「圧縮記帳」の適用もできます。

4.固定資産を取得した際に関する税務処理(圧縮記帳)

 補助金を取得額10万円以上の固定資産の取得に充てた場合は、その取得に相当する金額を総収入金額に計上しない(総収入金額不算入、いわゆる「圧縮記帳」)ことができます。つまり、その固定資産の取得価額のうち補助金を充てた部分の金額については、収入や必要経費として計上しなくてよいということです。その固定資産の取得価額は、収入に計上しなかった補助金等の額を控除した残額となり、この残額を基礎として減価償却費の計算をします。ただし、固定資産税(償却資産税)については、圧縮記帳前の取得価格で計算します。
 この取扱いは、措置法第26条の適用を受けている場合も対象となります。この手続きは、補助金を「返還しないことが確定した日」に属する年分、すなわち「確定通知書」の日付が属する年分に適用することができ、「国庫補助金等の総収入金額不算入に関する明細書」を確定申告書に添付して所轄税務署長に提出します。詳細は関与税理士とご相談ください。

5.事業税の課税関係と確定申告の際の留意点

 事業税は、自由診療収入(一般収入)に係る所得金額が課税対象となります。所得税の確定申告の情報をもとに、その所得金額から事業主控除(290万円)を差し引いた金額の5%が事業税として賦課されます。
 「医療機関等物価高騰対策支援金」などの補助金は、業務の対価として支払われるものではありませんので、その収入金額は社会保険診療の収入金額と自由診療の収入金額で按分し、自由診療収入の割合分が自由診療収入に加算され計算されます。
 確定申告の際、「青色申告決算書」(青色申告の場合)、「収支内訳書」(白色申告の場合)の「◎本年中における特殊事情」欄に、「補助金等の名称」と「その金額」を記載してください(図)。県税事務所で判断して事業税の計算を行います。

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