歯科改定率0.57% ― 全体はマイナス
昨年12月20日に行われた財務大臣と厚生労働大臣の予算折衝を踏まえ、2024年度の診療報酬改定率が決定した。
プラス0.88%も経営改善に不十分
診療報酬の改定率は0.88%だが、医科・歯科・調剤の報酬分は0.46%で、40歳未満の勤務医師・勤務歯科医師、薬局の勤務薬剤師、事務職員、歯科技工所などで従事する者の賃上げ分0.28%程度が含まれる。
各科改定率は、医科0.52%、歯科0.57%、調剤0.16%で、歯科では前述の賃上げ分を差し引くと0.29%となり、2022年度改定率と同程度にとどまった。
これではコロナ禍による患者減やオンライン資格確認義務化による設備投資、歯科材料価格の高騰などにより疲弊した歯科医療機関の経営を立て直すにはまったく不十分であり、間尺に合わないものといわざるを得ない。
さらに0.88%には、看護職員、病院薬剤師、その他の医療関係職種に対して、2024年度、2025年度の報酬ベースアップ実施のための特例0.61%、入院時の食費基準額の引き上げ0.06%も含まれており、今回の診療報酬改定は見かけよりもかなり小さなものとなっている。
薬価・材料価格1.0%引き下げ
今回、薬価は▲0.97%、材料価格は▲0.02%で合計▲1.00%の改定である。原材料価格の高騰、後発医薬品などの安定供給確保への対応として、不採算品約2,000品目の見直しを図ったとしている。
この間の薬剤供給不足に対する無為無策、薬価調査で明らかになった歯科用局所麻酔剤の「逆ざや」は放置されたままである。
薬価・材料価格の引き下げにより、ネットの改定率は▲0.12%となった。
(医科社保情報も参照してください)