前年度指導の実施件数、今年度予定件数が開示される
前号に続き、協会の行政文書開示請求により東海北陸厚生局指導監査課から開示された資料について、2022年度の指導実績と2023年度の指導計画件数などの情報を紹介する。
集団的個別指導の実施・計画数は減少
2022年度に実施された指導の実績、2023年度の指導計画による予定件数は表1のとおりとなっている。集団的個別指導(集個)については、昨年度は従来どおり集合形式で実施された。2021年度と比較して医科診療所の件数が71件減と2割以上減っている。さらに、2023年度の集個の計画件数は、医科診療所、歯科とも大幅に減っている。これは前年・前々年に集個または個別指導を受けた医療機関は対象から除かれることや、基準点数(診療所は平均点数の1.2倍、病院1.1倍)を超える医療機関が減っているためだと考えられる。
情報提供と再指導の個別指導を実施
個別指導では、2022年度も前年度と同様に「高点数理由」による指導が実施されなかった。個別指導の選定理由別実施件数(表2)も明らかとなり、医科診療所では予定通り実施された。しかし、歯科では技官の不在期間もあり、特に再指導による個別指導の実施件数が予定件数に比べ少なくなっており、未実施の個別指導が2023年度に繰り越されていることになる。
表3は2022年度の個別指導結果の内訳である。「再指導」となった件数をみると、医科診療所では新規を除く「その他」の個別指導で10件、新規個別指導で9件であった。歯科は、「その他」の個別指導結果の内訳が「公にすることにより、当該事務又は事業の遂行に支障を及ぼすおそれがある」との理由で不開示とされた。歯科の新規個別指導では「再指導」の結果となった医療機関が25件と、2021年度に比べ18件増加しており、これも今年度の計画件数の増加に影響していると言える。
なお、医科診療所の診療科区分別の予定件数を表4にまとめているので、参照されたい。