診療報酬改定とコロナによる影響
保団連は、今年4月の歯科診療報酬改定の影響、オンライン資格確認義務化への対応、コロナ禍を受けた今後の経営見通しに関する歯科会員アンケートを実施。この調査は全国で行われたが、愛知県分の結果について紹介する。
調査は8月1日から8月31日まで。ファックス登録のある歯科開業医会員2,154人に送付し、325人から回答があり回収率は15%だった。
回答者の年齢は60代が1/3を占め、20代~50代、70歳以上がそれぞれ10~20%と、ほぼ会員の年齢層に比例している。開設者は個人が76%を占め、24%が法人。
以下、特徴的なものを紹介する。
初診料―対策に見合う評価でない
今次改定では、感染対策として初再診料が3点ずつ引き上げられた。これについて83%が「評価する」としている(①)。一方、「対策に見合う評価ではない」が82%(②)であり、引き上げは評価できるが、感染対策を実施するには間尺にあわないというのが本音ではないか。
オンライン資格確認半数が未対応
オンライン資格確認「義務化」については71%の会員が反対しているが、「対応すべきか迷っている」が30%、「導入の予定なし」が20%と半数が運用に踏み切れていない(③)。厚労省には性急な「義務化」は撤回し、各医療機関の実態に即した対応が求められる。
「見通し立たない」「閉院も」が3割
コロナ禍による患者数と請求点数は、昨年4~7月と今年同時期を比較してそれぞれ1/3を超える医療機関が「減った」と回答し(④)、今後の経営の見通しについては「見通し立たない」、「閉院も考えている」があわせて30%に迫る(⑤)。この間の歯科材料費の高騰や、感染対策経費の増加が歯科医療機関経営に大きくダメージを与えていることがわかる(⑥)。