（愛知保険医新聞2023年9月5日号）

政府は2023年6月に、現行の健康保険証を2024年秋に廃止し、マイナンバーカードに一体化する法案を成立させた。

トラブル・問題が残ったままに強行

しかし、マイナンバーカードの保険証利用については、資格があるにも関わらず「資格無効」と表示されたり、他人の情報が紐付けられていたりと、医療現場で多くのトラブルが発生している。その対応として、保険者への資格確認の問い合わせや10割負担とした事例もあり、医療機関・患者の双方に負担を強いる状況である。さらに、誤登録は情報漏えいの問題だけでなく、誤った医療情報に基づく診療を誘発する可能性もある。厚労省ではこれまでに他人の情報が登録されていたケースが8,000件以上も確認されている。
また、障害者、認知症などの人々にとってはマイナンバーカードの取得自体が難しい場合があることに加え、高齢者施設ではマイナ保険証の管理ができないとの声もある。政府は、マイナ保険証を取得していない人に1～5年の有効期限がある「資格確認書」を発行するとしているが、抜本的な解決にはなっていない。

来年秋の廃止　ストップの声を大きくしよう

健康保険証を廃止すれば、マイナンバーカードを持たない人たちが公的保険診療から遠ざけられ、皆保険制度の下で守られていた国民のいのちと健康が脅かされかねない。法律は成立したものの、世論調査では保険証の廃止について撤回・延期を求める声や、各新聞社の社説でも廃止の見直し、「一本化」の強行に反対する内容が掲載されている。今、保険証を廃止させないためには、多くの国民の声が必要である。
保険医協会・保団連では、「現行の健康保険証を残してください」請願署名に取り組む。今回の請願署名は、今年6月までに集約した「健康保険証の廃止方針の撤回」を求める署名とは要請の項目が異なるため、以前協力いただいた場合でも署名可能である。健康保険証を存続させるため、ぜひ再度署名にご協力ください。

【請願項目】
◯現行の健康保険証を残してください
署名要領
全部埋まらなくても結構です。未成年の方の署名や代筆も有効です。
返送方法 … 返信用封筒（切手不要）をご利用ください。
締め切り … １１月２７日（月）
※保団連国会要請行動で地元選出議員を通じて提出します。署名に関する質問、署名用紙・返信用封筒の注文（送料とも無料）は下記連絡先まで。ダウンロードもできます。
<連絡先>
愛知県保険医協会・署名係
名古屋市昭和区妙見町19-2
TEL：０５２-８３２-１３４６　FAX：０５２-８３４-３５８４

▼署名用紙

▼返信用封筒
ご記入いただいた署名用紙を協会に送る際にご使用ください。