ロシアによるウクライナ侵略と核兵器による威嚇に抗議する
核戦争に反対する医師の会・愛知は、ロシアのウクライナ侵攻に対して、「ロシアによるウクライナ侵略と核兵器による威嚇に抗議する」抗議文をプーチン大統領宛に駐日ロシア連邦大使館に3月2日付で送付した。
以下に全文を紹介する。
ロシアによるウクライナ侵略と核兵器による威嚇に抗議する
ロシア連邦大統領 ウラジミール・プーチン 殿
貴殿は2月24日、ウクライナ各地に軍隊を侵入させ、軍事施設やキエフ、ハリコフをはじめ各都市への攻撃を開始した。これは、国連憲章、国際法を踏みにじる行為であり、いかなる理由であれ許されるものではない。私たちは、貴国によるウクライナ侵略に対し、強く抗議する。また、貴国がチェルノブイリ原発を占拠したことで、施設や放射性物質の管理に重大な懸念が生じていることに抗議する。貴国は即刻、軍事行動を中止し、ウクライナ領から撤退すべきである。
核戦争の防止、核兵器廃絶に向けて取り組んできた私たちとして、見過ごすことが出来ないのは、貴殿が2月27日に核戦力を「特別態勢」に移行するよう命じたことだ。これは昨年1月に発効した核兵器禁止条約が禁止している、核兵器による威嚇そのものであり、核兵器の使用へとエスカレートしかねない重大な危険をはらんでいる。貴国を含む核保有5カ国は「核戦争に勝者はおらず、決して戦ってはならないことを確認する」とした共同声明を今年1月に出したばかりだ。貴国の行為は、核兵器国としてあるまじきものであり、断固抗議する。
核兵器が人体に及ぼす影響はきわめて深刻であり、有効な治療手段はほとんど見あたらない。唯一の戦争被爆国の医師・歯科医師として、改めて貴国に対し、核兵器使用を前提とするような演習、核兵器の配備などのいかなる行動も行わないことを強く求めるものである。
2022年3月2日 核戦争に反対する医師の会・愛知 代表 中川 武夫