消費税増税に伴う診療報酬改定率決まる―厚労相が中医協総会に諮問

 今年10月に計画されている消費税10%への増税に伴う診療報酬の改定率が、昨年12月17日の大臣折衝と、同21日の閣議を経て決定した(以下参照)。1月16日には、根本厚労相が中医協総会に対して診療報酬点数の改定案を作成するよう諮問した。
 今回の診療報酬の改定率は、全体改定率でプラス0.88%となる。そのうち診療報酬本体改定率はプラス0.41%、各科の改定率は、医科プラス0.48%、歯科プラス0.57%、調剤プラス0.12%となっている。薬価なども消費税対応分の引き上げはされるが、実勢価改定等がマイナスとなるため、薬価はマイナス0.51%となり、材料価格はプラス0.03%となった。
 今回の改定は、消費税8%から10%への引き上げの〈2%分〉だけでなく、2014年度改定での5%から8%への引き上げ時の補填不足が明らかになったため〈3%分〉についてリセットをして、5%から10%への〈5%分〉に対応する引き上げが行われる。財源金額はまだ正式に発表されていないが診療報酬本体で4,700億円、うち医科に4,000億円,歯科に400億円、調剤に300億円が配分されると言われている。
 医科では初再診料、入院基本料、特定入院料などの基本診療料を中心に配点されると発表されているが、歯科については具体的な配点方針は示されていない。

2019年10月 診療報酬などの改定率



○診療報酬改定
1.診療報酬改定 +0.41%
 各科改定率 医科 +0.48%
        歯科 +0.57%
        調剤 +0.12%

2.薬価等
①薬価 -0.51%
 ※うち、消費税対応分 +0.42%
      実勢価改定等 -0.93%
②材料価格 +0.03%
 ※うち、消費税対応分 +0.06%
      実勢価改定等 -0.02%

○介護報酬改定
1.介護報酬改定 +0.39%
  ※補足給付に係る基準費用額の引き上げ分の対応として、別途国費7億円程度

2.新しい経済政策パッケージに基づく介護人材の処遇改善
  国費210億円程度

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