歯科疑義解釈通知(抜粋)

 2016年9月1日付で発出された事務連絡より、愛知県保険医協会が抜粋して作成した。なお、全文は厚生労働省のホームページで公開されているので、そちらもご参照いただきたい。


【エナメル質初期う蝕】


(問1)レジン充填又はインレー修復による治療を行った歯について、充填等を行った歯面と異なる歯面にエナメル質初期う蝕が認められた場合に歯科疾患管理料のエナメル質初期う蝕管理加算又はフッ化物歯面塗布処置の「3 エナメル質初期う蝕に罹患している患者の場合」を算定できるか。
(答)充填等によるう蝕治療を行った月の翌月以降に、充填等を行った歯面と異なる歯面にエナメル質初期う蝕が認められた場合は、歯科疾患管理料のエナメル質初期う蝕管理加算又はフッ化物歯面塗布処置の「3 エナメル質初期う蝕に罹患している患者の場合」を算定して差し支えない。その場合は、診療報酬明細書の摘要欄に充填等が行われた歯面とエナメル質初期う蝕の管理を行う歯面をそれぞれ記載する。

(問2)歯科疾患管理料のエナメル質初期う蝕管理加算又はフッ化物歯面塗布処置の「3 エナメル質初期う蝕に罹患している患者の場合」を算定している患者に対して、歯科衛生実地指導料は算定できるか。
(答)算定できる。

(問3)歯科疾患管理料のエナメル質初期う蝕管理加算又はフッ化物歯面塗布処置の「3 エナメル質初期う蝕に罹患している患者の場合」を算定する場合に、診療報酬明細書の「傷病名部位」欄の病名はどのように記載すればよいか。
(答)「エナメル質初期う蝕」又は「Ce」と記載する。

【歯科治療総合医療管理料、在宅患者歯科治療総合医療管理料】


(問4)在宅患者訪問口腔リハビリテーション指導管理料、歯周病安定期治療(Ⅰ)又は(Ⅱ)(以下、訪問口腔リハ等)を算定している患者において、歯科治療総合医療管理料(Ⅰ)又は(Ⅱ)若しくは在宅患者歯科治療総合医療管理料(Ⅰ)又は(Ⅱ)(以下、医管(Ⅰ)等)の対象となる処置等を実施した場合に、訪問口腔リハ等の包括範囲に含まれ個別の算定ができない項目に該当する処置を行った日に医管(Ⅰ)等の要件に該当する総合的医療管理を行った場合には、これらの管理料を算定して差し支えないか。
(答)訪問口腔リハ等を算定している場合に限り、医管(Ⅰ)等の要件に該当する患者であって、当該管理料の対象となる処置を実際に行った場合については、算定して差し支えない。その場合は、診療報酬明細書の摘要欄に実際に行った処置の項目を記載すること。

【歯周病検査】


(問5)混合歯列期の患者において混合歯列期歯周病検査以外の歯周病検査を行う際に、永久歯が先天的に欠損している場合は、当該部位に残存している乳歯を歯周病検査の歯数に含めてよいか。
(答)後継永久歯が先天的に欠損している乳歯については、残存している乳歯を歯周病検査の歯数に含めて差し支えない。
この場合において、その旨を診療報酬明細書の「摘要」欄に記載すること。

【歯周疾患処置】


(問6)糖尿病を有する患者であって、歯周ポケットが4ミリメートル以上の歯周病を有するものに対して、歯周基本治療と並行して計画的に1月間特定薬剤の注入を行った後に症状の改善が認められない場合はさらに継続して特定薬剤を注入することができるか。
(答)1月間特定薬剤の注入を行った後、歯科医学的に必要がある場合にあっては、さらに1月間程度継続して薬剤注入を行って差し支えない。
ただし、最初に1月間特定薬剤を注入した後、改善の傾向が認められない場合においては、診療情報提供のあった医科の医療機関に照会する等、糖尿病のコントロール状態についても確認することが望ましい。

【床副子】


(問7)床副子の「4 摂食機能の改善を目的とするもの(舌接触補助床)」に関する留意事項通知から『区分番号「H001」に掲げる摂食機能療法を現に算定している患者に対して』が削除されたが、同一初診期間内に摂食機能療法を実施していない患者に対しても算定できると考えてよいか。
(答)貴見のとおり。
なお、「疑義解釈資料の送付について(その1)」(平成22年3月29日事務連絡)にかかわらず、医科の保険医療機関において摂食機能療法を行っている患者について、摂食機能療法を行っている医科の医療機関名の診療報酬明細書の摘要欄への記載は不要とする。

【床副子調整・修理】


(問8)床副子調整・修理の算定は、床副子の装着と同一初診期間内に調整・修理を行った場合に限られるのか。
(答)咬合挙上副子又は術後即時顎補綴装置については、同一初診期間内に当該装置の装着を行っていない場合又は別の保険医療機関で製作し装着している場合についても算定して差し支えない。
また、別の保険医療機関で製作した舌接触補助床を修理した場合についても、「2 床副子修理」を算定して差し支えない。

【歯周外科手術】


(問9)「疑義解釈資料の送付について(その1)」(平成28年3月31日事務連絡)において、歯周外科手術の「6 歯肉歯槽粘膜形成手術」に含まれる「ハ 歯肉弁側方移動術」及び「ニ 遊離歯肉移植術」を歯周疾患以外の治療として行う場合の取扱いは従前どおりであることが示されたが、「ホ 口腔前庭拡張術」についても「ハ 歯肉弁側方移動術」及び「ニ 遊離歯肉移植術」と同様の取扱いと考えてよいか。
(答)「ホ 口腔前庭拡張術」についても「ハ 歯肉弁側方移動術」及び「ニ 遊離歯肉移植術」同様の取扱いとして差し支えない。

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