2010年度の指導方針と2009年度実績(歯科)
協会では、東海北陸厚生局に対しての開示請求や懇談等を通じて、指導の昨年度の実施状況や今年度の予定について情報の把握につとめている。現在までに明らかとなった点をまとめて紹介する。
1.集団的個別指導
集団的個別指導は、医療機関のレセプト1枚あたりの平均点数が県内平均点数の1.2倍以上であり、かつ上位8%以内の医療機関で、前年・前々年に集団的個別指導または個別指導にあたっていない医療機関が対象となる。
10年度の集団的個別指導は、11月に304件が予定されている(右表参照)。
今年度の集団的個別指導選定の基準となる昨年度の愛知県の歯科における平均点数(病院・診療所)は1,163点で昨年(1,175点)よりも下がっている。また、全国平均(1,261点)と比べても100点近く低い状況となっている。
今年度、集団的個別指導の対象となる医療機関の平均点数は最高で2,464点、最低で1,452点(昨年欠席によるものを除く)。
なお、平均点数の算出根拠(何月分のレセプトをもとにしているのか、対象となるのは社保・国保・後期高齢者すべてかなど)は明らかにされていない。
2.個別指導
個別指導の対象は、患者・保険者からの情報などによるものなどの他、高点数を理由としたものがある。高点数を理由としたものは、前々年度に集団的個別指導を受け、前年度の平均点数が上位4%に該当するものが対象となる。
09年度の実績と10年度の予定は右記のとおり。09年度の個別指導については、145件が予定されていたが、実施は35件にとどまっている。これだけ予定件数と実施数に開きがある原因は、予定件数が指導大綱に従って機械的に算出されており、東海北陸厚生局の体制等の実態と異なっていることが大きな要因と思われる。また、高点数による個別指導が多いことも愛知県の特徴で31件と全体の89%にのぼる。一方で、患者・保険者等からの情報提供や再指導は4件となっている。
協会では、高点数を理由にした指導は診療を萎縮させるもので、医療費を不当に抑制するものとして方法の見直しを要求しているが、今後一層の取り組みが必要となる。
10年度の個別指導は146件が予定されている。また、今年度から東海北陸厚生局指導監査課の指導医療官(技官)が1名増員されて2名に、医療指導監視監査官(事務員)も増員されている。今後、実施件数や指導内容に変更がないか注視していく必要がある。
3.指導の実施方法
新規指定の際の個別指導については、指導日の3週間前に通知がされる。指導の対象となるカルテは10人分。対象者のリストは4日前にFAXで連絡される。自主返還の対象となるのは、当日持参したカルテのみ。
新規以外の個別指導については、指導日の3週間前に通知がされる。指導の対象となるカルテは30人分。対象者のリストは4日前に15人分、前日に15人分FAXで連絡される。自主返還については、全患者の1年分のカルテが対象となる。
今回の情報公開では、昨年度の個別指導で指摘された事項の一覧も示されいる。