歯CADの適用で厚労省が見解を訂正
今次改定において、大臼歯にCAD/CAM冠(C/C冠)用材料(Ⅲ)を用いた修復の適用が拡大された。
7番C/C冠装着で厚労省が訂正
対側に大臼歯による咬合支持があり、同側に大臼歯による咬合支持がない場合について、厚労省から協会・保団連の問い合わせに回答した内容に「誤りであった」と見解を訂正する連絡があった。
訂正があったのは、第二大臼歯(7番)にC/C冠を装着する場合で、対側大臼歯に咬合支持があるが、同側第一大臼歯(6番)に咬合がない場合の症例。
当初は「7番にC/C冠を装着する場合において、同側6番での咬合支持が確保できない場合は『近心側隣在歯』を第一小臼歯(4番)・第二小臼歯(5番)と解釈して、小臼歯による咬合支持があれば適用となる」と回答していた。
訂正の連絡では、「7番にC/C冠を装着する場合において、『近心側隣在歯』は、6番、5番、4番を指すため、同側6番の咬合支持が確保できない場合は適用外となる」というもの(図)。
協会から送付しているFAX通信173号(6月17日送信)や、電話質問への回答では、「適用となる」と案内していたが、あらためて「適用外」と訂正させていただく。
光学印象を行った場合は直接法で可
CAD/CAMインレー(C/CIn)は、作業模型を用いて、間接法で製作する必要があるが、今次改定で新規導入されたデジタル印象採得装置(光学スキャナ)を用いて、C/CInを製作する場合は、模型の製作を行わず、直接法により製作することができることが示された。
なお、光学スキャナで取得したデータを、院外の歯科技工所に送信する際は、セキュリティ対策に配慮し、厚労省による「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」を遵守する必要がある。
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今次改定では、従来の算定項目を分離・細分化したり、管理料や加算などをはじめとする新たな算定項目が増えた結果、会員からは「わかりづらい」「整理できない」などの困惑の声が寄せられている。
改定内容の周知・徹底、ベンダーの対応を考慮して、改定実施を後ろ倒しにしたはずだが、一部訂正通知や疑義解釈を頻発している状況は、当の厚労省自体が改定内容を「わかっていない」のでは、と考えざるを得ない。厚労省には猛省を促し、今後誠実な対応をするよう求めたい。