個別指導における主な指摘事項②(2023年2月15日号)

2021年度の個別指導における主な指摘事項が、東海北陸厚生局のホームページに掲載された。愛知県保険医協会で抜粋・編集したものを掲載する。日常診療における診療録などの記載内容について、今一度確認いただきたい。

【診療録】

  • 診療録の記載方法、記載内容に次の例【不備】が認められたので、適切に記載すること。
    診療行為の手順と異なった記載、行を空けた記載、療法・処置欄への1行に対し複数行の記載、判読困難な記載、欄外への記載、独自の略称の使用、鉛筆による記載、根拠が不明確または不適切な訂正および追記、二本線で抹消せず塗りつぶしまたは修正液による訂正。
  • 診療録1号用紙の記載内容に次の例【不備】が認められたので、必要な事項を適切に記載すること。
    ア 部位、傷病名、開始年月日、終了年月日、転帰、主訴、口腔内所見について記載がないまたは不十分である。
    イ 傷病名にP、C、Perの略称を使用しており、病態に係る記載がない。
  • 診療録2号用紙の記載内容に次の例【不備】が認められたので、必要な事項を適切に記載すること。
    症状、所見、処置内容、指導内容、検査結果、画像診断所見、医学管理等の内容、材料名、投薬内容、診療方針、部位、一部負担金徴収額について記載がない、不十分または画一的である。
  • 略称を使用するに当たっては、「歯科の診療録および診療報酬明細書に使用できる略称について(令2.3.23 保医発0323 第5号)」を参照し適切に記載すること。
  • 歯冠修復および欠損補綴について、保険外診療へ移行した場合は、診療録に保険外診療への移行や当該部位に係る保険診療が完結している旨を明確に記載すること。

【歯科技工指示書等】

  • 歯科技工指示書に記載すべき内容(患者の氏名、設計、作成の方法、使用材料、発行の年月日、発行した歯科医師の氏名および当該歯科医師の勤務する病院または診療所の所在地、作成が行われる歯科技工所の名称および所在地)に不備が認められたので改めること。
  • 診療録、歯科技工指示書等との間で製作内容、製作部位が一致しない例が認められたので十分に照合・確認すること。

【提供文書】

  • 提供文書の原本を診療録に添付し、写しを患者等に提供している例が認められたので、患者等に文書の原本を提供し診療録に当該文書の写しを添付すること。

【初・再診料の加算】

  • 歯科診療特別対応加算について、次の不適切な例が認められたので改めること。
    当該加算を算定した日の患者の状態を診療録に記載していない、または画一的に記載している。

【歯科疾患管理料】

  • 次の不適切な例が認められたので改めること。
    ア 1回目の管理計画において、患者の歯科治療および口腔管理を行う上で必要な基本状況(全身の状態、基礎疾患の有無、服薬状況、喫煙状況を含む生活習慣の状況等)、口腔の状態(歯科疾患、口腔衛生状態、口腔機能の状態等)、必要に応じて実施した検査結果等の要点、治療方針の概要等、歯科疾患の継続的管理を行う上で必要となる情報を診療録に記載していない。
    イ 2回目以降の歯科疾患管理料を算定した月に、当該管理に係る要点について診療録に記載していない。
    ウ 2回目以降の管理を行う際に、管理計画に変更があった場合において、変更の内容を診療録に記載していない。
  • 診療録に記載すべき1回目の管理計画について、画一的に記載しているまたは記載の不十分な例が認められたので、個々の症例に応じて適切に記載すること。
  • 歯科疾患管理料を算定した月に、診療録に記載すべき管理に係る要点について、画一的に記載しているまたは記載の不十分な例が認められたので、個々の症例に応じて適切に記載すること。
  • 文書提供加算について、患者等に提供した管理計画書の写しを診療録に添付していない例が認められたので改めること。
  • 文書提供加算に係る提供文書に記載すべき内容(口腔の状態)について、記載の不十分な例が認められたので、適切に記載すること。

(つづく)

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