2019年10月18日

本秀紀氏が医師九条の会で講演

誰もが自分の意見を発言できる社会に

「あいち医師・歯科医師九条の会」と保険医協会は、第28回の憲法のつどいを9月28日(土)午後、協会伏見会議室で開き、医師や市民ら37人が参加した。「どうなる憲法、どうする憲法~参議院選挙後の情勢と今取り組むべきこと」をテーマに、本秀紀氏(名古屋大学大学院法学研究科教授)が改憲への動きと、それを阻止するために私たちが何をするべきか熱く語った。
 はじめに、参議院選挙結果を分析し、自民党が改選議席数を維持できなかったばかりか、単独過半数も割り込んだことなどを指摘。改憲勢力も3分の2を維持できず、改憲阻止の成果があった。これは野党共闘が全1人区で成立し、10選挙区で勝利したことが大きい。しかし、投票率が5割を下回り、特に若者の投票率が下がっている。政治的無関心層をどの党も動かせず、「勝者なき参院選」とする評価もある。
 安倍首相は改憲を断念するどころか、組閣も日本会議メンバーで固める改憲シフトで行い、今後野党を切り崩し、多数派工作を進めるだろう。さらに、安倍政治は権力の濫用を「進化」させ、事実の歪曲、国会軽視、小選挙区制を利用した少数による多数支配、官邸主導、メディアの統制と、一強支配の中で、異常事態と言える政治を繰り返している。あいちトリエンナーレ問題で象徴される、権力を用いて反対意見を排除する行為が認められれば、ますます統制がエスカレートしていく。いろいろな意見を持っているはずだが、「政治的発言」を抑える社会が作られている。
 まさか、まさかと思っている内に、憲法が回復不能に壊されて、なにも異論を唱えることが出来なくなってしまいかねない。若者も政治に無関心ではない。誰もが自分の意見を発言できる社会を守り、憲法を生活の中に活かす社会を守る必要があると結んだ。

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