社会保障と平和を守り、医療改善に取り組む
理事長 荻野 高敏
新年明けましておめでとうございます。年頭にあたり会員諸先生のご健康とご多幸をお祈りします。皆様のご理解、役員の先生方や事務局の協力を得て、9,063人会員で新年を迎えることが出来ましたことに感謝いたします。
私たちの「保険証を残せ」の運動は、道標を残しました。一つには衆議院の様子がすっかり変わりました。NHKアンケートに「保険証を廃止すべきでない」「廃止を延期すべき」と答えた当選者が半数以上になりました。立憲民主党は廃止時期延期法案を出しました。厚労省の担当者は、12月2日以降も、資格確認書でも保険証と同様に医療を受けられることを説明しました。デジタル庁も、「(マイナ保険証がなくても)医療を受けられますのでご安心ください」と公式SNSで呼びかけました。資格確認書でよいなら、そもそも保険証をなくす必要はないはずです。
二つ目には自公政権を少数与党に追い込んだことは、国民が主権者であることを示しました。こうした背景には、生活は苦しくなる一方なのに裏金候補者に2,000万円支給のスクープで、怒りの沸騰があります。
しかし保険医の経営を守る点では険しい道のりが続いています。12年に及ぶ診療報酬実質マイナス改定で経営に余裕がなく、オンライン請求義務化による設備投資増額を迫られ、閉院が加速しています。長期収載品の選定療養化は、保険給付縮小の足掛かりとなる危険な動きです。
今年も保険医の生活と経営、社会保障と平和を守ることを一体の課題として国民医療改善に引き続き取り組みます。協会の諸活動に変わらぬご支援のほどよろしくお願いいたします。
紙上展覧会より
「赤の槍ヶ岳」 北区 清水 秀幸
夜明け前に南岳小屋を出て中岳山頂3,084mでご来光。
赤く染まる槍ヶ岳と稜線が美しい。