長峯信彦氏が医師・歯科医師九条の会で講演
「あいち医師・歯科医師九条の会」と保険医協会は、第二十七回の憲法のつどいを三月二十一日(祝)午後、協会伏見会議室で開き、医師や市民ら四十二人が参加した。「安倍改憲のトリックを斬る―憲法制定過程の真実と、九条を守るべき歴史的責任」をテーマに、長峯信彦氏(愛知大学法学部教授)が、安倍首相が改憲を果すため強権を振るい、あらゆる手段を講じてくる中、九条を守る世論を圧倒的な多数としてそれを阻止するため、今何が必要か熱く語った。
講師はまず、現行憲法は、草案の基を作った憲法研究会の果たした役割や、国会での議論等の制定過程を見れば、米国による押し付けでなく、国民の総意を受けて制定されたものであることが明らかだと話した。
一方で、繰り返し語られる憲法押し付け論が、特に言われたことをそのまま受けとめる若い世代に、迷信の様に受け入れられてしまっている状況を指摘し、そういうノンポリだが改憲賛成と考える多くの人に、その誤りをきちんと伝えていくことが必要と語った。制定過程の真実を伝えた上で、戦前の体制を護持したいと腐心していた当時の政府が提案した憲法原案が、明治憲法とほとんど変わらないものだったことを話し、戦前と何も変わらない体制のままで良かったかと問うと、現行憲法の国民主権や平和主義を誰もが必要と感じ、押し付け論の迷信を解くことができる。さらに、九条を現実に合わせて変えるべきだというトリックに対しても、法は守られるべき理念を優先すべきで、現実を追認しては法の意義を失うことになる。むしろ、日本国憲法は世界に類のない先進的な憲法だと強調した。
参加した方々が周りの人の迷信を解き、トリックに気づかせる努力をすることが、安倍改憲を阻止する力になると結んだ。