2020年9月17日

原水爆禁止2020年世界大会オンライン

コロナ禍の今こそ核兵器のない世界の実現を

保険医協会は「核戦争は健康と環境に対する最大の破壊であり、核戦争の予防に力を尽くすことが、患者の命と健康を守る医師の役割」であるとして、核兵器廃絶の運動に取り組んでいる。その一環として毎年、広島・長崎で開催される原水爆禁止世界大会へ代表を派遣しているが、今年はコロナ禍であり、オンラインで開催されたので報告する。

今年も「被爆者とともに、核兵器のない平和で公正な世界を―人類と地球の未来のために」をテーマに原水爆禁止2020年世界大会国際会議が8月2日、広島大会が8月6日、長崎大会が8月9日にそれぞれオンラインで開催された。

国際会議では、広島の被爆者でカナダ在住のサーロー節子さんが、国連で核兵器禁止条約が採択され、周囲が拍手や抱擁する中で広島・長崎の死者に向けて「あなた達の死を意味あるものとする約束に一歩近づいた」と祈りを捧げたエピソードを語った。また、サーローさんは、197カ国の元首に書簡を送り、核兵器禁止条約の署名と批准を要請したことを紹介した。

長崎デーでは、長崎原爆被災者協議会の反納清史氏が被爆者証言を行った。3歳になる前に被爆し、赤い斑点・紫斑が体に出ると「原爆病で死ぬ」という風評が流れており、紫斑を全身手鏡で探したと語り、放射能による病気がいつ出てくるか、恐れおののいて過ごした75年だったと話した。核戦争防止国際医師会議(IPPNW)副会長のカルロス・ウマーニャさんは、米国の核兵器庫だけでもこれまで1000件以上の事故が記録されており、私たちが今生きているのは、運が良いだけで、唯一の分別ある道は核兵器の全面廃絶だと話した。

最後に「長崎からすべての国の政府への手紙」が読まれ、コロナ禍の今こそ「核兵器のない平和で公正な世界」をすみやかに実現するために世界のすべての政府が行動するよう求めて閉会した。

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