「か強診」「歯援診2」の届出が減少 ―施設基準届出状況

 「か強診」、「歯援診2」の施設基準の届出数が、2020年12月時点で前年に比べ大幅に減少していることが、日本歯科総合研究機構が公表したデータで明らかになった。各施設基準は、2018年4月改定で新たな届出要件が追加され、3月までに届け出た医療機関に対し経過措置期間が設けられ、2年後の2020年3月末で経過措置が終了している。
 「か強診」では、一度でも算定があれば対象となった歯科訪問診療料、SPTについて算定実績の回数要件が付け加えられ、訪問診療は5回以上、SPTは30回以上の実績がなければ不可となった。さらに、F局または初期う蝕(加算)は10回以上の算定実績が必要とされ、届出へのハードルは一気に上昇した。(算定回数はいずれも過去1年以内の実績)
 また、介護保険の居宅療養管理指導の算定実績、在宅医療に関するサービス担当者会議や介護保険施設などの多職種連携に係る会議の出席など11項目を挙げ、そのうち3項目以上に該当することが求められた。11項目の中には、特定の団体に所属しているものしか満たせない項目も複数含まれている。
 歯援診は「歯援診1」と「歯援診2」に分割された。比較的届出要件の項目が少ない「歯援診2」においても、算定回数を問われなかった歯科訪問診療料の算定実績が10回以上とされた上、他の医療機関や介護保険施設などからの依頼による歯科訪問診療料の算定が5回以上であることが求められることとなった。
 これらの要件強化により「か強診」では、愛知で94件、全国でも584件が、「歯援診2」では、愛知で246件、全国では3,055件が減少している(下表)。同期間で医療機関数は減少しており、医療機関数に占める届出数の割合は「か強診」が愛知で2.4ポイントの減少、全国で0.8ポイントの減少となっているが、「歯援診2」では愛知で6.5ポイントもの減少、全国では4.4ポイント減少している。
 「か強診」、「歯援診2」の届出要件では、削除されたものもあるが、それらの要件は新設された「歯初診」に組み込まれるなど、施設基準全体で見ると緩和された訳ではない。「歯援診2」の減少の一方で、配置する歯科衛生士の就業形態の要件(常勤・非常勤を問わない)が明らかになったことで、「外来環1」の届出が大きく伸展している。
 

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