2019年度の指導予定件数など
協会は指導に係る2018年度の実施状況と2019年度の予定などについて、東海北陸厚生局に対して文書・資料の開示請求を行い、回答を得たので歯科に関する内容を紹介する。医科を含む内容については、7月5日号以降の本紙でまとめているので参照されたい。
個別指導は74件 前年度より8件増
2018年度における歯科医療機関に対する個別指導の実施件数(新規個別指導を除く)は74件で、2017年度より8件増加した。選定理由別に見ると、「情報提供」8件、「再指導」18件、「高点数」48件(表1)。「再指導」「高点数」による個別指導は、2017年度よりそれぞれ5件増加しており、特に「高点数」は2015年度14件から毎年増え続けている。
厚労省は、「『高点数』が保険診療の内容や診療報酬請求の適切さを必ずしも直接反映するものではない」、「対象となる保険医療機関等が固定化されてしまう」との問題点に鑑み、新しい選定指標策定に向けて調査を行っている。
個別指導の結果については、「概ね妥当」が3件、「経過観察」48件、「再指導」23件となった。「中断中」、「要監査」は該当なしだった。「再指導」は2013年をピークに減少していたが、近年再び増えてきている(表2)。
新規指定保険医療機関に対する個別指導(新規個別指導)は86件の実施で、「概ね妥当」44件、「経過観察」33件、「再指導」が9件あった。
「再指導」は前年度より6件増えた。新規個別指導の「再指導」は、通常の個別指導と同様の扱いとなり、対象カルテ数の増加など負担も大きくなる。協会では安易に「再指導」とせず、教育的な指導を行うよう改善を求めている。歯科医療機関においても保険診療についての理解を深め、カルテ記載の学習や書類の整理・保管について留意する必要がある。
個別指導の相談は保険医協会へ
2019年度の指導実施計画によると、個別指導は148件が予定されている。選定理由別にみると、「情報提供」によるものが4件、「再指導」によるものが32件、「高点数」を理由とするものは110件となっている(表1)。「情報提供」は8件から半減したが、「再指導」は18件から2倍近くに増えている。
個別指導は「情報提供」、「再指導」が優先的に実施され、「高点数」は後回しになることも多い。昨年度も122件の予定が48件の実施となったが、前述のように実施件数が増えており、東海北陸厚生局も「できるだけ計画通り実施したい」としている。なお、全ての医療機関の平均点数は開示されたが、個別指導・集団的個別指導の対象となる医療機関ごとの一覧については、実質的に情報開示されなかった。
集団的個別指導は、平均点数(今年度は1,179点)の1.2倍を超え、かつ上位8%に該当する歯科医療機関が対象となる。対象医療機関数は250医療機関、平均点数は1,414.8点となっている。
自院の平均点数については、東海北陸厚生局指導監査課に照会が可能である。電話で保険医療機関名や保険医療機関コードなど必要事項を告げると、折り返しの電話で回答がもらえる。
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個別指導や集団的個別指導など、通知が届いて不安なことがあれば協会に相談していただきたい。電話などでの相談のほか、「カルテ記載を中心とした指導対策テキスト」などの販売も行っている。ぜひ活用を。