保険医協会地域医療部は、二〇二五年四月一日時点での難聴高齢者補聴器購入費助成事業の実施状況を調査し、県内全自治体から回答を得た。その結果を報告する。
新たに17自治体が助成を実施
補聴器購入費の助成は、障害者手帳があれば、障害者総合支援法に基づく補装具費支給制度で受けることができる。しかし、障害者手帳の発行を受けられるのは、両耳の聴力が70デシベル以上の高度・重度難聴者に限られ、軽度や中等度ではこの助成を受けることができない。
WHO(世界保健機関)では41デシベルの中等度難聴から補聴器使用を推奨しており、軽度や中等度への助成制度創設が求められている。
今回の調査で新たに豊橋市、一宮市、春日井市、豊川市、刈谷市、安城市、蒲郡市、江南市、小牧市、新城市、東海市、田原市、大口町、東浦町、幸田町、東栄町、豊根村の17自治体が助成を開始した(予定含む)。県内で助成制度がある自治体は29自治体となった。
助成対象者では、12自治体が住民税非課税世帯のみを対象にしており、課税世帯への対象拡大を求めたい。
補助額は非課税世帯で、購入費用の半額(上限2万円~5万円)で実施している。また、課税世帯も対象にしている自治体では、課税世帯で購入費用の半額(上限1万5千円~5万円)を助成している。
高額な補聴器に対する公的補助を求める声は多く、協会では国や自治体に対して助成制度創設を求めていく。
