運動方針

2024年度 「保険でより良い歯科医療を」愛知連絡会活動方針

1、わたしたちをとりまく情勢と「保険で良い歯科医療」を求める運動の重要性

岸田政権が無為無策のまま放置する物価高騰に、国民の生活は厳しさを増している。高齢者の生活を支える年金の増額も、今年は2.7%で、物価上昇率3.2%を下回り、可処分所得は目減りしている。

その一方で、自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件が明らかになっているが、誰一人として責任をとろうとしない姿勢を続けている。また、2019年~2023年の5年間で、日本の武器輸入が前の5年間と比較して155%増となり、世界で第6位の武器輸入国となるなど、防衛関連に使われる予算は拡大し続け、国民の税金は外国の武器市場拡大を支えている。
医療の現場においても、新型コロナウイルス感染症の治療が公費から外され、今後の治療には多額の自己負担金が発生することが予想される。歯科医療においても、治療に必要な歯科材料の値上がりが歯科医療機関の経営を圧迫しているにもかかわらず、2024年の診療報酬改定では実質的な改定率はごくわずかなものにとどまり、「保険で良い歯科医療」の実現にはほど遠い内容となった。

お口の健康を保つことで、全身の健康を維持できることや、インフルエンザなどの感染症予防にもつながることが、国民の中にも周知されつつある。今後の歯科医療の役割として、虫歯治療、歯周病治療だけでなく、噛む、食べる、話すなど、小児の口腔機能の健全な発育や、高齢者の口腔機能の維持・回復も期待されている。

また、私たちの粘り強い運動により、学校歯科健診で不正咬合を指摘された場合の歯科矯正相談料が保険導入された。しかし、保険治療の対象となる疾患などが拡大していないため、相談後の歯科治療が保険適用とならないケースもあることから、顎の発育状態などから適用対象の範囲を広げるよう運動をさらに発展させる必要がある。

いつでも、どこでも、誰もが、お金の心配をせずに歯科医療にかかることでできる環境を実現するため、2024年度、愛知連絡会は「歯科保険医療制度の改善をすすめ、国民の口腔の健康を守る」活動を進める。

2、今年度の方針

  1. 11月に全国連絡会総会をキックオフ集会とする「保険でより良い歯科医療を求める」請願署名に取り組む準備をすすめる。
  2. 学校歯科健診で咬合の不正を指摘された児童については、歯科矯正治療が保険適用となるよう運動をすすめる。
  3. マイナンバーカードをもたない人たちを保険診療から遠ざけ、いのちと健康を脅かす「現行保険証の廃止」に反対する運動に協力する。
  4. 災害時や、新型コロナウイルスやインフルエンザなどの感染症に対する口腔ケアの重要性も盛り込み、「保険でより良い歯科医療を求める意見書」採択を県内各自治体に求める運動に取り組む。
  5. 歯科技工士の現状を改善する運動に取り組む。歯科技工士との対話を行い、連絡会の活動に参加してもらえるよう働きかける。歯科衛生士とも協力関係が作れるよう取り組む。
  6. 災害時への備えとして、県内各自治体の備蓄品や各家庭での避難袋に、口腔ケア用品を加えるよう働きかけや呼びかけを行う。
  7. 地方議員に、歯科医療の現状や重要性を訴える活動を行う。
  8. 市民公開講座や出前学習会を開催する。
  9. イレバデー(10/8)の「歯の何でも電話相談」に取り組む。イイハデー(11/8)の街頭宣伝を実施する。
  10. 連絡会の活動趣旨を訴え、多方面の団体に呼びかけ参加団体を増やして組織の強化をめざす。
  11. 事務局会議・世話人会の開催、連絡会ニュースの発行で、連絡会の活動を円滑に運営する。
  12. 「保険で良い歯科医療を」全国連絡会に参加し、全国の運動と協力・共同した活動に取り組む。
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