より良い医療制度をめざす活動

【21.06.05】子ども医療費助成制度

入院18歳年度末までが昨年に続き増加

 保険医協会地域医療部は、2021年4月1日時点での「子ども医療費助成制度」の実施状況を調査し、県下全市町村にあたる54市町村から回答を得た。その結果を報告する。

県基準の引き上げ待ったなし
 子ども医療費助成制度は、愛知県制度が通院で義務教育就学前まで窓口負担を無料にしているが、県内全自治体が県基準を超えて助成を行っている。入院については県制度は中学校卒業までを対象としているが、県内54自治体のうち34自治体が県基準を超えた助成を行っており、県基準の早急な引き上げが求められる。

入院 18歳年度末まで拡大が増加
 入院については、2020年の調査から6自治体が助成対象を拡大(2021年4月以降の助成実施予定自治体も含む)しており、昨年に続く増加だ。今回入院の助成対象を中学校卒業から18歳年度末までに拡大した自治体は、瀬戸市、知立市、尾張旭市、長久手市、豊山町、大口町の六自治体。これで、18歳年度末まで「自己負担無料」で医療を受けられるのは、県下では31自治体(57.4%)となった。2016年の調査時には6自治体しか18歳年度末までの助成を行っておらず、この5年で約5倍に増加した。協会の要望が大きく前進している。

所得制限・自己負担は撤廃を
 助成対象を18歳年度末までに拡大しながら、中学校卒業後は所得制限や自己負担を設けている自治体がある。半田市は、通院を18歳年度末まで対象としながら中学生以上は1割の自己負担を課している。愛西市でも、通院は中学校卒業後は1割の自己負担がある。犬山市では、入院・通院ともに中学校卒業後は1割の自己負担がある。また、津島市は、入院・通院ともに対象を18歳年度末までとしながら、中学校卒業後は所得制限を設けている。長久手市は今回の調査で入院について対象を十八歳年度末まで拡大したものの、中学校卒業後は所得制限を設けている。
 自己負担や所得制限は、受診抑制につながりかねない。親の所得に影響されず、すべての子どもが等しく医療を受けられるよう、これらの制限は撤廃すべきである。

通院 名古屋市が18歳年度末までに
 通院では、半田市を除く、県下53自治体で、中学校卒業まで窓口負担無料で医療を受けられる。
 また今回の調査で、18歳年度末までに対象を拡大したのは、名古屋市と豊山町だ。名古屋市は2022年1月から実施予定で、自己負担や所得制限を設けずに十八歳までの入・通院の医療費を無料化する。全国の政令市では初めてだ。
 これで18歳年度末まで窓口負担無料で医療が受けられるのは九自治体(16.6%)となった。

働く若者に安心を
 18歳年度末までに対象を拡大している自治体で、中学校卒業後の就労者を対象としているかどうかについても調査を行っている。対象としている自治体は28自治体、対象としていない自治体は6自治体だった。
 経験年数も浅く収入も多くはない若い労働者にとって、怪我や病気による医療費は大きな負担となる。すべての自治体で就労状況に関わらず助成が行われるよう求めて行く必要がある。

入・通院とも18歳までを主流に
 入院・通院ともに18歳年度末まで窓口負担無料で医療を受けられる自治体は、9自治体となった。名古屋市、北名古屋市、東郷町、豊山町、飛島村、南知多町、設楽町、東栄町、豊根村だ。子どもが病気や怪我をした時、お金を気にせず医療を受けられる環境が求められる。病気にかかりやすい乳幼児がいる家庭、ぜんそくやアトピーなど通院の回数が多い子どものいる家庭にとっては医療費が大きな負担となる。特に低所得の世帯にとって子どもの医療費窓口無料化は切実だ。親も子どもも安心して医療が受けられるよう医療費助成制度の充実は重要だ。
 保険医協会は、愛知県基準の引き上げを求めるとともに、入院・通院ともに全自治体で18歳年度末まで自己負担無料で医療が受けられるように、今後も運動を続けていく。  

※18歳年度末までの対象市町村で、中学校卒業後の就業者の対象可否(予定含む)
対象となる・・・名古屋市、豊橋市、岡崎市、瀬戸市、半田市、春日井市、豊川市、刈谷市、豊田市、安城市、蒲郡市、犬山市、小牧市、稲沢市、新城市、東海市、知立市、尾張旭市、日進市、田原市、愛西市、北名古屋市、みよし市、長久手市、豊山町、大口町、飛島村、幸田町
対象でない・・・津島市、東郷町、南知多町、設楽町、東栄町、豊根村
入院時食事療養費助成 *東栄町:高校生のみ、自己負担無し

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