より良い医療制度をめざす活動

【20.07.25】産婦健診・新生児聴覚検査・高齢者補聴器助成

広がる子育て支援 高齢者補聴器助成は2市町で実施

保険医協会地域医療部は、2020年4月1日時点での「産婦健診助成事業」等の実施状況を調査し、県下全市町村にあたる54市町村から回答を得た。その結果を報告する。

産婦健診
 2020年2月、産後うつで心神耗弱状態の母親が、生後3カ月の子どもを自宅の階段から落として殺害した事件など、産後うつをめぐる深刻な実態が報道されている。今、10人に1人が産後うつになるといわれている。
 2017年に厚労省が産後うつの防止などを目的に産婦健康診査事業を創設し、その後産婦健診への助成を行う市町村が大きく広がった。愛知県でも、2019年4月から県内すべての市町村で産婦健診の助成を受けられるようになった。
 今回の調査で、助成回数を2回としている自治体は、5自治体増え、16自治体となった。産後うつは早期発見、早期治療が必要で、発見の機会を増やすことは大切だ。保険医協会は引き続き、2回の産婦健診助成を求めていく。
 今回初めて、助成対象となる医療機関についても調査を行った。弥富市と蟹江町は県内の医療機関に限定しているが、ほとんどの自治体が全国どこで産婦健診を受けても助成が受けられることが分かった。里帰り出産をして、産婦健診も里帰り先で受けることが多い中、助成は等しく受けられるべきだ。

新生児聴覚検査
 先天性両側難聴は全出生児の約1000人に1人の割合で存在する。難聴を放置していると、言語発達の遅れや学習、コミュニケーションの問題につながることが知られている。ただし、早期に難聴を発見し、介入を行った場合は、続発する障害を予防・軽減できる。
昨年度の調査では、助成を実施しているのは18自治体だった。今回の調査で、新たに8自治体が助成を行っているか、行う予定であることが分かった。対象となる医療機関についても調査を行い、ほとんどの自治体がどこで検査を受けても、償還払いで助成が受けられることが分かった。ただし、知立市は県内の医療機関に限定している。新生児聴覚検査は出生後の入院中に行うことも多く、里帰り出産でも、全国どこで受けても、助成を受けられるべきである。
 協会ではすべての新生児に新生児聴覚検査が実施され、聴覚障害の早期発見・早期療育につなげられるよう、創設を訴えていく。

高齢者補聴器購入費助成
 難聴高齢者の補聴器購入費助成事業は、今回初めて調査を行った。
 補聴器は障害者総合支援法に基づく補装具費支給制度の対象で、障害者手帳があれば助成が受けられる。しかし、対象者は両耳の聴力70デシベル以上の高度・重度難聴者だ。日本補聴器工業会の調査では、高度・重度難聴者は難聴者の8%程度。WHO(世界保健機関)では41デシベルの中等度難聴から補聴器使用を推奨しているが、現在、軽・中等度は全額自己負担となっている。
 2017年のアルツハイマー病協会国際会議では「難聴対策は認知症を予防する一番の大きな因子である」という報告を出しており、補聴器は認知症予防にも効果的である。
 今回の調査で、軽・中等度の高齢者に対する助成制度が北名古屋市と設楽町にあることが分かった。
 高額な補聴器に対する公的補助を求める声は切実で、政府に公的補助制度創設を求める請願署名なども各地で広がっている。保険医協会も助成制度の創設を求めていく。
 

 

 

▲ このページの先頭にもどる