より良い医療制度をめざす活動

【20.07.15】任意予防接種助成

協会の粘り強い訴えで着実に前進

保険医協会地域医療部は、2020年4月1日時点での「任意予防接種助成事業」の実施状況を調査し、県下全市町村にあたる54市町村から回答を得た。その結果を報告する。

特別な理由による再接種費用補助

 骨髄移植などにより、過去の予防接種で得た抗体を失った子どもに対しワクチンの再接種費用を助成する制度を行っているのは、今回の調査で新たに9自治体が助成制度を創設し、44自治体(81.5%)となった。調査を開始した2018年には、助成制度があるのは、9自治体(16.7%)だったが、保険医協会も要望を続け、2年で約5倍に助成自治体が増え、飛躍的に前進した。

おたふくかぜ
 今回の調査でおたふくかぜについては、犬山市、常滑市が新たに助成を開始し、全体で18市町村(33.3%)となった。多くの自治体が1回のみの助成だが、日本小児科学会は2回の接種が望ましいとしており、確実な予防のために2回の助成が求められる。2回の助成を行っているのは、豊橋市、刈谷市、常滑市、豊根村の4自治体。常滑市はおたふくかぜのワクチン助成を2020年4月から新設したが、はじめから2回の助成を行うことを決めている。おたふくかぜを巡っては、厚生労働省の予防接種・ワクチン分科会で定期接種化の検討が進んでいる。また、日本耳鼻咽喉科学会は独自の調査で、2015年・2016年の2年間で少なくとも348人がおたふくかぜの合併症による難聴と診断されていることから、定期接種化を強く求めている。
 保険医協会としては、国の定期接種化を待つことなく市町村独自の助成制度を設けること、助成の回数は2回行うことを引き続き求めていく。

子どものインフルエンザ
 子どものインフルエンザワクチンに対する助成については、今回の調査で新たに3市町(豊橋市、豊明市、南知多町)が加わり、14市町村(25.9%)が助成を実施している。新たに助成を行う3市町は、いずれも今年の10月から助成を開始する予定。豊橋市は高校3年生までを対象に一人あたり1000円の助成を行う。豊明市は、受験がある中学3年生のみを対象に1人あたり2000円の助成を、南知多町は中学3年生と高校3年生を対象に自己負担無料となるよう助成を行う予定。その他の自治体でも受験生のみを対象にした所が多いが、飛島村では、子どもに限らず65歳まで1人あたり1000円の助成を行っている。子どもの健康を守り、学級閉鎖や看病のために仕事を休まざるを得ない親の負担を減らすためにも、すべての自治体でインフルエンザワクチンの助成制度創設が望まれる。

高齢者肺炎球菌ワクチン
 高齢者用肺炎球菌ワクチン助成事業は2014年10月に定期接種化され、対象者は65歳とされたが、経過措置として65歳以上で5歳刻み(上限100歳)の住民も対象となっている。経過措置については、国が2018年度末で終了する予定であったため、自治体独自の任意予防接種助成を2018年度末で終了する自治体もあった。しかし、国は接種率が低いことを理由に経過措置を2023年度末まで延長することとなった。
 今回の調査で、自治体独自の助成事業を行っている自治体は前年から3自治体減少し、26市町村(48.1%)となった。接種率が低いために経過措置が延長された経過からも助成を終了した自治体については助成の再開が求められる。
 助成を継続している自治体では住民の生命を守る自治体の役割として任意接種の助成事業は継続するべきである。
 

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