より良い医療制度をめざす活動

【20.06.25】子ども医療費助成制度

入院18歳年度末が半数超え 協会の要望 大きく前進

 保険医協会地域医療部は、2020年4月1日時点での「子ども医療費助成制度」の実施状況を調査し、県下全市町村にあたる54市町村から回答を得た。その結果を報告する。

県基準の早急な引き上げを
 子ども医療費助成制度は、愛知県制度が通院で義務教育就学前まで窓口負担を無料にしているが、県内全自治体で県基準を超えて助成を行っている。また、入院については中学校卒業までを対象としているが、県内の自治体の半数以上が県基準を超えた助成を行っており、県基準の見直しは待ったなしだ。

入院 県基準を上回る助成が過半数に
 2019年の調査からは、10自治体が入院の助成対象を拡大している(2020年4月以降の助成実施予定自治体も含む)。
 これまで入院については、県基準と同じ中学校卒業までを対象とする自治体が6割を超えていたが、今回の調査で県基準を超えて助成を行う自治体が5割を超え、逆転をした形だ。対象を拡大した10自治体(豊橋市、岡崎市、刈谷市、蒲郡市、小牧市、稲沢市、新城市、日進市、田原市、幸田町)は、対象を「中学校卒業まで」から「18歳年度末まで」に拡充している。これで、18歳年度末まで「自己負担無料」で医療が受けられるのは、26自治体となった。

24歳まで対象とする自治体も
 助成対象を18歳年度末を超えて拡充をしている自治体がある。春日井市、豊田市、東海市の三自治体だ。18歳年度末以降は学生に限るなどの条件はあるものの、「24歳年度末」まで助成を行っている。2020年1月23日付朝日新聞によると、豊田市の太田稔彦市長は「将来、町づくりの担い手になる若者を貴重な人材としてサポートしたい。入院することになったとしても、多額な出費が生活や学業の支障にならないようにしたい」と話す。また、東海市や春日井市は「若い人たちの定住」や「学生にとって暮らしやすいまちを目指す」狙いもあり拡充に踏み切った。

所得制限・自己負担は撤廃を
 全体として、18歳年度末以上に対象を拡大しているのは、28自治体となり、全自治体の過半数になった。ただ、18歳年度末までに対象を広げながら、津島市は中学校卒業後は所得制限を、犬山市は中学校卒業後は一割の自己負担を設けている。親の所得に影響されず、すべての子どもが等しく医療を受けられるよう、これらの制限は撤廃すべきである。

通院 中学校卒業まで無料が98%
 今回の調査では通院については2019年の調査から対象拡大などの変更をした自治体はなかった。なお、通院で中学生以下に自己負担を課しているのは、半田市のみとなった。自己負担は受診抑制につながりかねず、なくすべきだ。
 また、18歳年度末までに対象を拡大し、窓口負担無料にしているのは、7自治体(北名古屋市、東郷町、飛島村、南知多町、設楽町、東栄町、豊根村)。対象を拡大しながらも、中学校卒業以降について津島市が所得制限を設けているほか、犬山市と愛西市は一割の自己負担を課している。

入・通院 働く若者に安心を
 18歳年度末まで対象を拡大している自治体で、中学校卒業後の就労者を対象としているかどうかについても調査を行った。対象としている市町村は、22自治体に対し、対象としていない自治体は6自治体(津島市、東郷町、南知多町、設楽町、東栄町、豊根村)であった。
 経験年数が少なく、収入が多くはない十八歳未満の労働者にとって、怪我や病気による医療費は大きな負担となる。すべての自治体で就労の状況に関わらず、助成を行うよう求めていく必要がある。

18歳年度末まで助成を主流に
 入院・通院ともに18歳年度末まで窓口負担無料で医療を受けられるのは、北名古屋市、東郷町、飛島村、南知多町、設楽町、東栄町、豊根村の7自治体だ。
 全国的に子育て支援が喫緊の課題となる中、お金の心配なく子どもが受診できることは、親にとっても子どもにとっても重要で、最大の子育て支援策といえる。
 保険医協会は、愛知県基準の引き上げを求めるとともに、入院・通院ともに全自治体で18歳年度末まで自己負担無料で医療が受けられるように、今後も運動を続けていく。
 

 

※18歳年度末までの対象市町村で、中学校卒業後の就業者の対象可否(予定含む)
 対象となる:名古屋市、豊橋市、岡崎市、半田市、春日井市、豊川市、刈谷市、豊田市、安城市、蒲郡市、犬山市、小牧市、稲沢市、新城市、東海市、日進市、田原市、愛西市、北名古屋市、みよし市、飛島村、幸田町
 
 対象でない:津島市、東郷町、南知多町、設楽町、東栄町、豊根村

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