より良い医療制度をめざす活動

【20.02.05】任意予防接種・福祉医療

任意予防接種

要請項目〜予防接種について〜
○流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)、ロタウイルスワクチン、子どもや障害者のインフルエンザワクチン、定期接種から漏れた人に対する麻しん(はしか)の任意予防接種に助成制度を設けてください。

ロタウイルスが定期接種化
子どもを対象にした任意予防接種の助成について、今年のキャラバンでは昨年と同様に流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)、ロタウイルス、子どもや障害者へのインフルエンザワクチン、定期接種から漏れた人の麻しん(はしか)の予防接種について制度の創設を要請した。
そのうち、ロタウイルスワクチンについては、要望提出後に国が2020年10月から定期接種化する方針を決めた。これにより、全ての市町村で実施されることになる。キャラバンなどで粘り強い働きかけを続けるなかで、自治体独自の助成事業が広がったことが定期接種化の大きな弾みとなっており、長年の運動の成果が実ったものとして評価したい。

おたふくかぜ
おたふくかぜワクチンについては、昨年のキャラバン以降、刈谷市(2019年4月)と田原市(2019年5月)が新たに助成を開始した。これにより実施自治体は16市町村(県内自治体の30%)まで拡大した。
おたふくかぜを巡っては、厚生労働省の予防接種・ワクチン分科会で定期接種化の検討が行われている。また、日本耳鼻咽喉科学会の調査では、2015・2016年の2年間で、少なくとも348人がおたふくかぜの合併症による難聴と診断されていることから、学会として定期接種化を求めている。
おたふくかぜワクチンは、2回接種が望ましいとされているが、県内で助成回数を2回としているのは刈谷市と豊根村のみ。より良い制度とするためにも2回接種の助成も検討するべきである。
自治体キャラバン実行委員会では、国に対してムンプス難聴やその後の後遺症を防ぐためにも早急に定期接種化することを求めている。同時に市町村に対しては国の定期接種化を待つことなく助成制度の創設・充実をすることを引き続き要望していく。

インフルエンザ
インフルエンザワクチンの助成制度を実施している自治体は11市町村(県内自治体の20%)。知多市・設楽町・東栄町・豊根村では自己負担無料で実施している。
子どもや障害者の健康を守り、学級閉鎖や看病のため仕事を休まざるを得ない親の負担を減らすためにも、すべての自治体でインフルエンザワクチンの助成制度があることが望ましい。

麻しん
定期接種から漏れた人に対する麻しんワクチンついては、豊橋市が2019年4月から新たに助成を開始した。これにより助成制度を実施している自治体は4市(県内自治体の7%)となった。
麻しんについては、2018・2019年と連続して、未接種または1回接種の住民を中心に流行しており、流行を防ぐためにも緊急に助成制度の創設が求められる。同じく流行している風しんは、国が定期接種の追加対策を今年度から実施しており、麻しんへの対応も求められる。
自治体キャラバン実行委員会では、国に対して麻しんの定期接種化を求めるとともに、当面の緊急措置として自治体での助成制度創設を要望していく。
近年、ワクチンで防ぐことのできる疾患はワクチンで防ごうと各地で助成を求める声が広がり、小児用肺炎球菌ワクチンやヒブワクチン、ロタウイルスワクチンなどが定期接種化され、任意接種ワクチンを助成対象とする自治体も増加している。自治体キャラバンでは今後も任意接種ワクチンの助成を自治体に訴えていく。  

産婦健診

要請項目〜健診・検診について〜
○産婦健診の助成対象回数が1回の市町村は2回に拡充してください。
産婦健診事業の実施主体は市町村で、健診費用の2分の1を国が、残りを市町村が負担している(最大2回まで)。

2019年4月から、岡崎市と幸田町が新たに助成を開始、また県内で唯一所得制限を設けていた一宮市が所得制限を撤廃した。これで、県内すべての市町村ですべての産婦が一度は産婦健診の助成を受けられるようになった。自治体キャラバンの要望が実現したもので大きな前進と言える。
自治体キャラバンでは、産婦健診の実施回数を2回にするよう求めている。2019年4月から刈谷市・常滑市・愛西市が2回の助成を開始し、2回の助成を実施している自治体は11市村(県内自治体の20%)となった。
懇談のなかで、2回目の助成について前向きな自治体も多くあることがわかった。豊橋市は回答で「産後2回目の実施を検討していきたいと考えています」としているほか、半田市も「今後、助成回数の拡充に向けて検討していきます」としている。この他にも近隣自治体の動向を見ながら拡充を検討したいとする自治体も多数あり、さらに拡充する可能性がある。
産婦のケアについては、各自治体で子育て世代包括支援センターや産後ケア事業などの整備も進められており、様々なアプローチでの施策が重要であることは言うまでもない。自治体キャラバン実行委員会では、産後うつを早期に発見し、きめ細やかなフォローを行うために、今後も助成回数の拡大を訴えていく。

福祉医療

要請項目〜福祉医療制度について〜
○精神障害者医療費助成制度の対象を、一般の病気にも広げてください。また、自立支援医療(精神通院)対象者を精神障害者医療費助成の対象としてください。
○妊産婦医療費助成制度を創設してください。
身体障害者、知的障害者は一般疾病も障害者医療の助成対象となっている。しかし、精神障害者は県が精神疾患による入・通院のみを助成対象としているため、各市町村が独自に対象を一般疾病に拡大してきた。

精神障害者手帳1・2級所持者に対し、入通院とも一般の病気も含む全疾患を対象としているのは52市町村(県内自治体の96%)となっており、未実施の自治体は高浜市と大治町を残すのみ。自治体キャラバンの要請に対し、高浜市は「大きな課題であると考えています。引き続き、実施に向けた検討を重ねています」、大治町は「検討中」と回答している。両自治体には一刻も早い制度の実施を引き続き求めていく。
妊産婦医療費助成制度の創設については今年から新たに要請項目に加えた。妊娠中には様々な合併症のリスクも高まることが知られており、日本産婦人科医会も制度創設を要望している。
県内自治体で実施しているのは東海市のみ。全国では岩手県・栃木県・茨城県・富山県が県として助成制度を実施している。栃木県では、母子手帳の交付を受けた月の初日から出産(流産を含む)した月の翌月末日まで全疾病を対象に助成している。
妊産婦医療費助成制度については、国や県単位での実施も求められる。しかし、妊産婦が安心して子どもを産み、育てられる環境を早期に実現するために、自治体キャラバンでは、国や県での検討状況に関わらず各自治体での制度創設を求めている。

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