より良い医療制度をめざす活動

【20.01.15】子ども医療費助成制度

子ども医療費助成制度

医療・福祉・介護などの拡充を求め、県内全市町村と懇談し要請する「愛知自治体キャラバン要請行動」が10月29日から11月1日に実施された。懇談を通じて明らかになった特徴点を紹介する。

要請項目〜福祉医療制度について〜
○子どもの医療費無料制度を18歳年度末まで現物給付(窓口無料)で実施してください。中学校卒業まで現物給付(窓口無料)で実施していない市は、早急に実施してください。また、入院時食事療養の標準負担額も助成対象としてください。

現在、子ども医療費助成制度の愛知県基準は、通院で「義務教育就学前」、入院で「中学校卒業」まで現物給付(窓口負担無料)となっている。この対象範囲は、全国の都道府県と比べると低いとは言えない基準である。しかし、近年「子どものいのちや健康を守れ」「子育て世帯への支援拡充を」という声が広がるなかで、愛知県内では全ての市町村が県基準より拡大して制度を実施している。

中学生に自己負担は半田市のみに
今回のキャラバンで、通院について少なくとも中学校卒業まで窓口負担無料を拡大している(2020年度実施予定も含む)自治体は53市町村(県内自治体の98.1%)あることが明らかとなった。
北名古屋市は、2020年8月から入院・通院ともに18歳年度末まで窓口負担無料(現物給付)とする予定。また、2020年4月から常滑市が、今まで中学生の通院に設けていた1割の窓口負担を廃止し、中学校卒業まで窓口負担無料とした。愛西市は同じく中学生の通院にあった1割負担を廃止するとともに対象年齢を18歳まで拡大した(中学校卒業後の通院については1割負担)。
この結果、県内の自治体で中学生に自己負担があるのは半田市(中学生以上は1割の自己負担)のみとなった。
遅れていた自治体が対象拡大へ舵を切った背景には、自治体キャラバンをはじめ住民や関係団体が制度拡充の重要性を粘り強く訴えてきた長年の運動の積み重ねがある。今後も全ての市町村で少なくとも中学校卒業まで窓口負担無料となるよう要請を強めていく。

18歳年度末までの助成が拡大
県内ほとんどの自治体が中学校卒業までの助成を行うなかで、対象年齢を18歳年度末までに拡大する動きが加速している。
通院については、2020年8月から北名古屋市が助成対象を18歳まで拡大する予定(所得制限なし、窓口負担無料)。2020年4月からは半田市と愛西市が18歳まで拡大する(ただし年齢によって1割の自己負担あり)。
入院については、名古屋市が18歳まで拡大したほか、半田市・春日井市・愛西市は2020年4月から北名古屋市は2020年8月から拡大を予定している。また、東海市と豊田市は2020年4月から、春日井市は2020年10月から24歳年度末(18歳年度末以降は学生に限る)まで拡大するとしており、全国的にも先進的な取り組みとして注目されている。
さらに懇談のなかで、名古屋市(通院分)・刈谷市・日進市・幸田町で拡大の検討を行っていることも分かった。今後、さらに対象拡大が進む可能性が高い。

無料化でも「コンビニ受診」には繋がらない
窓口負担無料を実施しない理由として「コンビニ受診」による休日診療所の患者増への懸念などをあげる自治体もある。
豊橋市では、2017年12月から中学生の通院医療費を半額償還払いから窓口負担無料(現物給付)に切り替えた。豊橋市休日夜間急病診療所の小児科患者数を見てみると無料化前(2017年度)10,894人から、無料化後(2018年度)は10,075人と819人減少している。
無料化が「コンビニ受診」を広げるとの懸念は豊橋市の実績を見ても杞憂と言える。

県の消極的な姿勢が拡充の障害に
愛知県の子ども医療費助成制度は全国の中で進んだ制度と言われてきた。しかし、全国的に子ども医療費助成制度の拡充が進むなかで入院時食事療養費の助成が2市町に留まるなど他県と比べて必ずしも充実した制度とは言えない状況になってきている。静岡県では、県制度として18歳年度末までを対象としているほか、入院時食事療養費についても7割を超える自治体で助成を行っている。
キャラバンの懇談のなかでは、18歳年度末までの対象拡大が進む一方で、助成対象の拡大を躊躇する自治体の声もある。この背景には、愛知県の制度拡充に対する消極的な姿勢がある。愛知県は2008年に対象拡大して以降、10年以上通院で義務教育就学前まで、入院で中学校卒業までという現在の基準に留まっている。また、2013年には、子ども医療費助成制度をはじめとした福祉医療制度に、一部負担金や所得制限を導入することを検討した経緯もあり、自治体が拡大を躊躇する大きな要因となっている。県内ほとんどの自治体で中学校卒業までの助成を行っているなかで、県制度の拡充は喫緊の課題である。
なお、子ども医療費助成制度については、本来、全ての子どもが受けられるように国の制度として行うべきものであることから、キャラバンでは、自治体に対して国へ制度の創設を求める意見書を提出することも要請している。

愛知県子ども医療費助成制度実施状況一覧

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