より良い医療制度をめざす活動

【19.01.15】子どもの予防接種など

子どもの予防接種

2回目は、子どもを対象とした任意予防接種助成制度や子育て世帯への健診助成などについて、主な特徴を報告する。
要請項目〜予防接種について〜
○流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)、ロタウイルスワクチン、子どもや障害者のインフルエンザワクチン、定期接種から漏れた人に対する麻しん(はしか)の任意予防接種に助成制度を設けてください。 
子どもを対象とした任意予防接種の助成について、今年のキャラバンでも昨年同様、流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)、ロタウイルス、子どもや障害者へのインフルエンザワクチン接種への制度創設を要請した。また、今年度流行した麻しん(はしか)に対する予防接種助成も新たに要望項目に追加した。
おたふくかぜ
おたふくかぜワクチンに対する助成は昨年のキャラバン以降、春日井市(2018年4月)、岡崎市・蒲郡市・幸田町(2018年6月)が新たに助成を開始し、設楽町も来年度からの実施を予定している。これにより実施自治体(予定含む)は14市町村(26%)まで拡大した。さらに今回の懇談で、田原市が「助成できるよう検討していく」と回答するなど、助成を検討している市町村もある。
おたふくかぜを巡っては、昨年5月に日本小児科学会や日本感染症学会など17団体が、ワクチンの定期接種を求める要望書を国に提出。自治体キャラバン実行委員会でも、国に対しムンプス難聴やその後遺症を防ぐためにも早急に定期接種化すること、市町村には定期接種となるまでの間、引き続き助成することを求めていく。
ロタウイルス
ロタウイルスは乳幼児が罹患すると激しい嘔吐と下痢を伴い、患者数は2016年には5千人を超え(国立感染症研究所)、乳幼児だけでなく看病する親への負担も大きい。ワクチンは種類により2〜3回接種する必要があるが、接種費用が高額なため助成制度創設を求める声は多い。
今年度瀬戸市・尾張旭市(2018年4月)、蒲郡市(2018年6月)が助成を開始し、実施自治体は19市町村(35%)と3分の1を超えた。各地の議会でも助成制度を求め質問・要望されており、自治体キャラバン実行委員会では今後も、地域と連携しながら制度創設を粘り強く訴えていく。
インフルエンザ
昨年四月に実施した保険医協会調査で、子どもに対するインフルエンザワクチンの助成を実施している自治体は、9市町村(17%)であった。今年度新たに助成を開始したのは、大府市(2018年4月)、知多市(2018年10月)。これにより実施自治体は11市町村(20%)となった。両市の対象者は既に助成を実施している東海市と同様、中学3年生及び高校3年生。両市とも「子ども達にとって受験という大事な時期にインフルエンザに罹患するのを防ぐ」と助成を決断。特に知多市は指定医療機関であれば自己負担無料としており、無料での実施は設楽町・東栄町に続き3自治体目となる。
麻しん
今年度当初に県内で発生した麻しんは、7月の終息宣言以降も20代を中心に流行し、患者数は30人を超えた。懇談の場で麻しんワクチンへの助成を訴えたが、前向きな回答を得ることは難しかった。しかし、豊田市とみよし市では2018年9月から、既存の麻しんワクチン助成制度の年齢制限(50歳)を撤廃し、新たに抗体検査を助成対象に加えている。
今回の流行により米国では妊婦に対し日本への渡航自粛勧告が出されるなど、日本の感染症対策に対する海外の視線は厳しい。同じく流行した風しんについて厚労省は12月11日、39歳〜56歳の男性を対象に風しんワクチン接種と抗体検査を2019年春以降、3年間無料とすると発表した。
近年の外国人観光客の増加や2020年のオリンピックを見据え、周期的に流行するはしかに対する予防接種の助成を国に求めると共に、自治体に対しては当面の緊急措置として、豊田市やみよし市と同様の助成を創設することを求めていく。
近年ワクチンで防げる疾病はワクチンで防ごうと各地で助成を求める声が強まり、小児用肺炎球菌ワクチンやヒブワクチンなどが定期接種化され、任意接種ワクチンを助成対象とする市町村も増加している。今後も、小児がん治療などにより免疫を失った者に対する再接種費用やおたふくかぜの2回目接種の助成などを各市町村に訴えていく。  

産婦健診

要請項目〜健診・検診について〜
○産婦健診の助成事業を創設してください。また、助成対象回数が1回の市町村は2回に拡大してください。 
産婦健診は2017年4月、産後うつの防止を目的に国が創設した。実施主体は市町村で、検診費用の2分の1を国が、残りを市町村が負担している(最大2回まで)。
2017年4月時点で産婦健診への助成を実施していたのは46市町村(85%)であったが、2018年4月時点で51市町村(94%)まで拡大。未実施は岡崎市・津島市・幸田町の3市のみとなっていた。
今回の自治体キャラバンで、津島市が2018年7月から助成を開始したと回答。岡崎市と幸田町は「事業実施に向けて検討しているところです」「平成31年度からの実施に向け調整します」と、それぞれ回答。全市町村実施に向け大きく前進した。
また助成対象回数を2回に拡大するよう要請しているが、2回助成を実施している市町村は、名古屋市・小牧市・東海市・大府市・知多市・高浜市・豊明市・豊根村の8市村(15%)。懇談の場で、産婦健診を2回実施している自治体で、産婦健診の受診率が約80%、そのうち産後うつの支援が必要と判定された受診者が約10%いるという結果が示されていることを紹介し、産婦健診の2回助成を求めた。これに対し複数の自治体から「早期に複数回実施する必要性は認識している。今回対象拡大している自治体が増加していることを伺ったので、本市でも検討していきたい」との発言があった。
自治体では子育て世代包括支援センターや産後ケア事業などの整備も進められているが、産後のうつを早期に発見し、きめ細やかなフォローを行うためにも、今後も市町村に助成回数の拡大を訴えていく。

精神障害者医療費助成

身体障害者、知的障害者は障害者医療の助成対象として一般疾患も対象となっている。しかし精神障害者は、県の助成対象が精神疾患における入・通院のみを対象としており、各市町村が独自に対象を一般疾患まで拡大してきた。
2017年度、精神障害者手帳1・2級所持者に対し、入通院とも一般疾患を対象とする市町村は9割を超えたが、2018年度も拡大する市町村は増加し、日進市や蟹江町等が全疾患、春日井市や豊明市が一部助成から全額助成に拡大し、未実施の自治体は高浜市と大治町を残すのみとなった。
自治体キャラバンの要請に対し、高浜市は「大きな課題であると考えています。引き続き、実施に向けた検討を重ねていきます」、大治町は「検討中」と回答。懇談の場で参加者は、多くの市町村で助成の必要性が認識され、ここ数年で拡大が進んでいる現状を示しながら、両市町に助成創設を強く訴えた。
また全疾患まで拡大した蟹江町は議会の常任委員会で、「対象拡大による医療費や手帳の新規取得者の影響を検証し、3級までの拡大を検討したい」と回答している。
一方、自立支援医療対象者について、多くの市町村は精神障害者手帳を所持していなくても、通院の精神疾患に係る自己負担部分を助成対象としている。助成していないのは7自治体のみである(愛西市は半額助成)。精神障害者手帳の所持を会社に知られたくないと、手帳取得を躊躇する患者も少なくない。懇談では「問題と認識していなかった。検討してみる」とした自治体もあった。
精神医療は、経済負担が病状にもたらす影響も大きいことを考慮し、全ての市町村で自己負担部分の全額助成を実現すると同時に、愛知県制度の拡充は待ったなしとなっている。

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