より良い医療制度をめざす活動

【18.12.15】子ども医療費助成制度

子ども医療費助成制度

医療・福祉・介護などの拡充を求め、県内全市町村と懇談、要請する「愛知自治体キャラバン要請行動」が10月23日から26日に実施された(概要は本紙11月15日号)。本号から懇談を通じて明らかとなった主な特徴を報告する。
第1回は、子ども医療費助成制度について報告する。

要請項目〜福祉医療制度について〜
○子どもの医療費助成制度を18歳年度末まで現物給付(窓口無料)で実施してください。中学校卒業まで現物給付(窓口無料)で実施していない市は、早急に実施してください。また、入院時食事療養の標準負担額も助成対象としてください。

現在、子ども医療費助成制度の愛知県基準は、通院で「義務教育就学前」、入院で「中学校卒業」まで現物給付(窓口負担無料)となっている。ただ、近年「子どものいのち・健康を守れ」「子育て世帯への支援拡充を」と制度拡充を求める声が広がり、県制度を拡充し通院で少なくとも中学校卒業まで対象拡大する県内自治体は、2018年4月現在、49市町村(90.7%)となっている。未だ小・中学校で自己負担がある自治体は、半田市・津島市・常滑市・愛西市・北名古屋市の五市。
津島市が実現
自己負担が生じる五市のうち、津島市が懇談の場で、来年度から中学校卒業まで窓口負担無料に対象拡大すると表明。後日、市は12月議会に2019年4月実施の関係条例案を提出した。市の担当者は「他市に比べて、医療費の補助が遅れていると感じていた市民も多いと思う。子育て世代の一層の支援を図りたい」と話したという(中日新聞11月21日)。医療費の補助が遅れているとの自治体キャラバンの訴えが、他の自治体よりかなり遅れてではあるが届いたことは評価したい。
残り4市も動き
残り4市でも拡大の動きがあり、愛西市は2018年8月から小学校卒業から中学校卒業まで対象拡大した。ただし、中学生は1割の自己負担が残るという不十分な内容となっている。
また、北名古屋市は対象に所得制限を設けているが、2018年8月から制限を緩和。これにより、対象者は小・中学生の10%から33%に拡大されるという。しかし、3分の2は対象外であり、県内で小学生に負担が生じる唯一の自治体となった。
中学生に1割の自己負担が生じている半田市は、自治体キャラバンの要請に対し、「一部負担は見直さないが、18歳年度末まで対象年齢を拡大することを検討」と回答した。
これら対象拡大が遅れている市町村が方針転換し拡大したのは、長年自治体キャラバンはじめ住民や医療関係団体が拡大を求め、粘り強く訴え続けた結果といえる。今後も全ての市町村で少なくとも中学校卒業まで窓口負担無料となるよう要請を強めていく。
18歳対象拡大へ
既に中学校卒業まで窓口負担無料としている自治体でも18歳年度末まで対象拡大する市町村が増加している。今回の自治体キャラバンでもみよし市が、入院について18歳年度末まで窓口負担無料を検討していると表明。幸田町も懇談の場や議会で拡充を進めると回答した。
全国的にも対象年齢を18歳年度末まで拡大する市町村は増加しており、通院で2016年1.4倍(昨年比)、2017年1.8倍(同)と飛躍的に拡大している(厚労省調査)。周辺自治体でも、静岡県は2018年10月から県制度として18歳年度末まで対象拡大。2019年度には全市町村が18歳年度末まで対象とする見込みだ。入院時食事療養の助成でも、静岡県では過半数の自治体が実施している。長野県も約8割の市町村が18歳年度末まで対象としている。
拡充に消極的な県
愛知県の子ども医療費助成制度は進んだ制度と言われてきたが、入院時食事療養の助成も僅か2市町に留まっており、県が制度の拡充に消極的な状況となっている。
県内市町村が18歳年度末まで対象拡大を目指している中、愛知県制度は2008年に対象拡大して以降、10年以上現在の通院で義務教育就学前、入院で中学校卒業までに留まっている。
大村知事は来年2月の知事選挙に関連し、県予算が「高い財政力がありながら教育や福祉行政に有効に生かされていない」と批判されたことに対し、「事実に基づいた議論を」と反論したという(中日新聞11月28日)。
では、「子どもや社会的弱者への支援を」との住民の声を受け、県内全ての市町村が厳しい財政状況でも子ども医療費助成制度や精神障害者医療費助成などを拡充している中、10年以上県民の声に背を向け、制度拡充やそのための試算もしないという愛知県の姿勢をどう説明するのか。年明けの知事選挙に向け、大村知事の明確な説明を求めたい。
自治体キャラバンでは市町村に、国に向けて18歳年度末までの医療費無料制度創設を求める意見書、愛知県に福祉医療制度を守り、拡充を求める意見書を提出するよう要請した。

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