より良い医療制度をめざす活動

【18.07.05】子どもの任意予防接種

インフルエンザ・おたふくかぜ・ロタなどワクチンの助成進む

協会地域医療部は2018年4月現在の予防接種助成制度の実施状況(予定含む)について愛知県内全市町村にアンケートを行った。結果がまとまったので概況を報告する。


インフルエンザ 助成11市町村に
 今回も昨年に引き続き、子どものインフルエンザワクチンの任意予防接種制度についてアンケートを行った。高齢者のインフルエンザワクチンは定期接種化されているが、子どものインフルエンザワクチンは任意接種が現状だ。昨年は9市町村がインフルエンザワクチンの助成を行っていたが、今年は大府市(2018年4月実施)と知多市(2018年10月実施予定)が制度を創設し、11市町村となった。新たに制度を創設した2市は、受験を控えた中学3年生と高校3年生を対象としている。また、設楽町はこれまでも1歳から高校3年生までを対象として助成制度があったが、2018年10月以降、一部助成から全額助成に変更する。
 設楽町の変更により、自己負担が無料でワクチンを受けられるのは東栄町(対象は中学生まで)と設楽町の2町となった。
 2018年2月、過去に例のない大流行が続いたインフルエンザはワクチンで軽減することができる。学級閉鎖や看病のため仕事を休む親の負担などを減らすためにも高校生までの全年齢の子どもが自己負担無料で受けられることが望ましい。

おたふくかぜ 新たに5市町が助成
 昨年9月に日本耳鼻咽喉科学会が発表した「2015年〜2016年にかけて発症したムンプス難聴の大規模全国調査」では、2年間で少なくとも348人がムンプス難聴と診断され、その中の300人近くに後遺症が残っていることが分かった。現在おたふく風邪のワクチンは任意接種になっているが、日本耳鼻咽喉科学会は定期接種化を求めている。
 今回の調査で、新たにおたふくかぜの予防接種の助成を始めたのは、春日井市(2018年4月実施)、岡崎市、蒲郡市、幸田町(2018年6月実施)、設楽町(2019年4月実施予定)の5市町。新たな5市町を加えて、助成制度があるのは14市町村になった。中でも自己負担無料で接種可能なのは、東栄町と豊根村だ。
 助成制度がある全ての市町村が助成回数を1回に定めているが、おたふくかぜは、2回の接種が必要なため、より良い制度を求めて2回助成を要望していく。

ロタワクチンの助成進む
 ロタワクチンの助成を行う自治体は前回調査から3市増え、19市町村となった。前回の調査以降、瀬戸市、尾張旭市(2018年4月実施)、蒲郡市(2018年6月実施)が助成を開始した。また、自己負担無料で受けられるのは、飛島村、東栄町、豊根村。
 ロタワクチンは接種回数が2回から3回と多いため、経済的負担が大きい。またロタウイルスにかかると強い嘔吐、下痢の症状で脱水を起こし重症化の危険性もある。直接効く治療薬はないため、予防が重要となる。ワクチンで発症、重症化防止ができるのならば、原則ワクチンで予防すべきだ。

抗体失った子へのワクチン再接種を無料に
 今回初めて調査したのは、骨髄移植手術などのために、予防接種で得た抗体を失った子どもに対してのワクチンの再接種費用の助成制度の有無だ。国が定める子どもの定期予防接種は風疹や日本脳炎など14種類あり、規定の年齢や回数であれば公費で受けられる。ただ、小児がん治療で骨髄移植などを受けると免疫が失われることがあり、ワクチンの再接種は自己負担で、全てを受け直すと約20万円かかる。その再接種費用を助成する制度があるのは、小牧市(2018年2月実施)、名古屋市、豊橋市、一宮市、安城市、西尾市、稲沢市、大府市、知多市(2018年4月実施)、蒲郡市(2018年6月実施)の10市である。助成額は各市規定があり、全額助成(名古屋市、豊橋市)や市内医療機関の委託金額を上限とするなど様々だ。対象は主に満20歳未満の者。病気の治療に加え、さらなる経済的負担を軽減するためにも全市町村に再接種費用助成制度を創設する必要がある。


ワクチン提供体制の改善を
 2018年初頭のインフルエンザや4月〜5月にかけての麻しん(はしか)の流行時には、ワクチンの供給不足が指摘された。
 これは国・厚労省が、ワクチン提供体制を各自治体や製薬メーカー任せにし、不足時の対策を疎かにしてきたことによる。愛知県保険医協会は今年麻しんの流行を受け、国・厚労省に対しワクチン供給不足の原因を分析し、国の責任でワクチン供給体制を構築することを求める要望書を提出した。
繰り返される供給不足が、定期接種対象者に対する支障やワクチンの普及の足かせになることは許されない。
 今後とも国へ必要なワクチンの定期接種化と提供体制の改善を求めていく。  

 

 

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