より良い医療制度をめざす活動

【18.04.25】2018年度市町村予算

医療費助成・予防接種など多くの分野で助成広がる

 「一般会計4年連続最大(岡崎市)」「一般会計過去最大に(尾張旭市)」(中日新聞)など、多くの市町村で過去最大規模となる予算案が、2〜3月議会で確定した。
 2018年度予算の特徴として、「新庁舎建設(弥富市)」「駅周辺整備(知立市)」など大型の施設整備費用が盛り込まれる一方、「保育需要増に対応(大府市)」「第二子保育無償化(清須市)」など、子育て支援対策への費用を計上している市町村も見受けられる。
 保険医協会地域医療部では、予防接種や医療費助成制度の充実を求め、昨年協会が市町村に要望書を提出した項目などを中心に拡大状況を調査した。ただし、予算の詳細が公開されていない市町村もあるため、4月16日時点で判明している市町村をまとめている。

医療費助成制度―全自治体実施まで残り僅か
 協会地域医療部では2017年11月、(1)子ども医療費助成制度の対象年齢の引き上げ、(2)おたふくかぜ、ロタウイルス、インフルエンザワクチンに対する助成制度の創設、(3)産婦健診助成制度の創設・拡充、(4)新生児聴覚検査助成制度創設――を求める要望書を県内全市町村に提出した。
 子ども医療費助成制度は、毎年実施している愛知自治体キャラバンなどで、少なくとも通院で中学校卒業まで窓口負担無料にと地域住民や保険医協会が訴えてきた。粘り強い運動の結果、中学校卒業まで窓口負担無料の市町村割合は2002年にわずか1%だったが、昨年度末には90.7%(未達成の自治体が残り5市)と大きく前進した。
 このような中、県内で唯一中学生に対して助成制度がなかった愛西市が、やっと重い腰をあげ2018年8月から中学生を対象に自己負担割合3割の内、2割を補助するとした(自己負担1割は残る)。現在、地域医療部で全市町村に対し子ども医療費助成制度の実施状況についてアンケートを行っており、まとまり次第報告する。
 精神障害者医療費助成制度も愛知県制度の対象が精神疾患のみと遅れているため、各市町村が独自に対象を全疾患に拡大してきた。今年度も精神障害者手帳1・2級所持者について全疾患を対象とする自治体が、日進市(入院・4月〜)、常滑市(入院・4月〜)、蟹江町(入・通院・10月〜)と増加。また、春日井市が2分の1助成を全額助成(通院)に、豊明市も2分の1助成を全額助成(入院)、蒲郡市が償還払いから現物給付(今年度中)へと拡大(表参照)。これにより全疾患を対象としていない自治体は、高浜市と大治町を残すのみとなった。
 子ども医療費助成制度では中学校卒業まで無料を、精神障害者医療費助成制度では全疾患を対象としていない自治体には、早急に対象とするよう強く求めていく。同時に、愛知県に対しても9割を超える市町村が対象としている現状を訴え、県制度を対象拡大するよう要請を強めていく。

ワクチン助成 着実に拡大
 予防接種助成事業についても「ワクチンで防げる疾病はワクチンで防ぐ」と助成事業創設を求める運動により、2014年には水痘ワクチンが、2016年にはB型肝炎ウイルスワクチンが定期接種化された。市町村が実施する任意接種でも住民の要望や地区医師会の働きかけもあり、今年度おたふく風邪(岡崎市・春日井市・蒲郡市・幸田町)、ロタ(瀬戸市・蒲郡市・尾張旭市)、インフルエンザ(知多市・大府市・設楽町)と助成を創設(拡大)する市町村が増加し、ロタについては助成を実施する市町村が3分の1を超えた。
 昨年広く報道された「小児がん治療など特別な理由により抗体が失われた小児へのワクチン再接種費用への助成」も、豊橋市や安城市・稲沢市・大府市などで今年度助成が実施される。

子育て世帯へ助成を
 昨年から多くの市町村が開始した産婦健康診査への助成は豊橋市や蒲郡市などで新たに開始、また尾張旭市や高浜市などで助成回数が2回に拡大されるなど、こちらも9割以上の市町村で助成が実施されることになる。
 新生児聴覚検査への助成も大府市や武豊町などで開始され、既に実施している自治体含め二桁近い自治体で実施される見込みだ。
 子育て支援対策を前面に押し出す市町村もあるが、ワクチンや健診などの助成は、子育てで苦労している世帯へ大きな影響を与える。多くの自治体で助成制度創設が相次ぐのはそれだけ切実な要望が寄せられているからであり、各市町村はこれらの声に耳を傾け助成制度を創設して欲しい。
 なお、予防接種・産婦健診・新生児聴覚検査についてもアンケートを実施しており、今後状況を報告する予定にしている。

検(健)診の充実図る自治体
 2018年度は第2期データヘルス計画が開始される。各自治体では検(健)診の実施率を引き上げるため、「大腸がん検診の自己負担金の引き下げ(常滑市)」「骨粗鬆症検診の対象年齢拡大(名古屋市)」など、検診の補助事業に力を注いでいる。
 また8020運動や歯科口腔保健条例など、口腔管理の重要性が広く認識されるようになり、歯科(歯周疾患)検診の対象を拡大する市町村は名古屋市や豊橋市、東郷町など二桁近い。
 予防接種や検診事業の必要性は国・市町村・保険者も認識している。実施率の引き上げや疾病予防のために、今後も市町村へ助成の拡大を求めていく。  

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